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北欧ならではの上質なデザインと、スポーティーな走りが多くの人を虜にしているボルボ。輸入車史上初の快挙となる日本カー・オブ・ザ・イヤーの2年連続受賞したのも記憶に新しい。同ブランドの魅力を伝える役割である、セールパーソンの働き方にフォーカスする。
グスタフ・ラーソンとアッサル・ガブリエルソンにより、スウェーデンのイェーテボリで1927年に創業したボルボ。以来、安全性を絶え間なく進化させ続けてきた。また、2025年までに新たに発売されるボルボの新型車に使用するプラスチックの最低25%をリサイクル素材にするなど、「環境負荷を最小限に抑えた社会をつくる」をミッションに掲げていることにも、スウェーデンブランドとしての誇りを強く感じさせる。
このボルボの正規ディーラーは全国に95箇所あり、セールス担当は400人を超える。そのなかで2019年のトップセールスパーソンに選ばれたのが、目黒店に所属する辻亮輔だ。まずはボルボの魅力から語ってもらった。

ブランド創設以来、追求し続けてきたデザインと安全性
――辻さんはボルボの魅力はどこにあると考えていますか?
ボルボの魅力とは、北欧製品の魅力であると考えています。スウェーデンは日照時間が短いため、いかに家で充実した時間を過ごせるかを考えているんですね。そうした考えがボルボの車にも反映されています。
たとえば、インテリアは上質かつ実用的です。加えて、太陽の光を最大限に取り入れられるように設計されているほか、シートも人間工学に基づいているので長時間座っていても疲れにくい工夫が施されています。
また、安全への追求もボルボならではと言えます。現在では当たり前になっている3点式シートベルトを開発したのは、実はボルボなんです。しかも、この技術の恩恵を誰もが得られるように特許を無償公開しています。
――利益以上に人命のことを考えている、と。
加えてスウェーデンでは、本社から100キロ圏内で事故が発生すると事故調査隊が駆けつけ、関係機関と協力しながら事故の状態を細かく分析するんです。事故当時者の了解が得られれば、プライバシーの管理を徹底した上で、医療機関と連携して怪我のレベルまで詳細に把握していきます。その膨大な知見を基に安全な車の開発に役立てています。死亡者や重傷者を1人でも減らすことを優先しているのも、ボルボらしいと思います。
一人でも多くのお客様と信頼関係を築けるように
――辻さんはどのような経緯でボルボ・カー・ジャパンに入社されたのでしょうか?
もともと別の自動車ブランドで整備士をしていたのですが、そのときから営業を志望していたんです。ただ、なかなか枠が空かず、「ちょっと待ってくれ」と言われ続けていました。そうしたらいつの間にか2年ほど経ってしまい、思い切って転職することにしたんです。そのタイミングで社員を募集していたのがボルボでした。即座に応募したところ、アットホームな感じがすごく良くて。その瞬間にこの会社でチャレンジしてみようと決意しました。
最初の配属先はボルボ・カー 虎ノ門でした。そこで1年半ほど経験を積んだ後、ボルボ・カー 目黒に異動して現在に至ります。アクティングマネージャーになったのは、目黒店に来て2年目のことでした。目黒店には、新車のセールスが8人いて、4人ずつ2班に分かれています。その片方のリーダーを私が務めています。
――アクティングマネージャーは具体的にどのようなことをするのでしょうか?
肩書きこそ大層な印象があると思いますが、業務内容は通常のセールスと大差はありません。具体的には、私が担当している500人ほどのお客様に対してアフターフォローの連絡を送りつつ、お乗り換えの提案をしています。あとはチームリーダーとして、セールスのみんなが働きやすい環境を整えることですね。

――500人はすごいですね!
そうですね。ただ、それも僕の手がいっぱいのときにフォローしてくれる周囲のサポートがあるから実現できていることでもあります。
――お客様の心を掴むために取り組んでいることはありますか?
身なりを整えるなど、お客様に不快感を与えないようにすることはもちろんですが、特にレスポンスのスピードを意識しています。お客様がお困りのことがあるときは特に。
あと、継続してお付き合いのあるお客様にご来店いただいたときは、可能なかぎり面と向かって挨拶するようにしています。それだけでも印象は随分と変わると思います。それをコツコツ7年間ずっとやり続けてきて今があるのかなと。
――お客様とはどういった会話を?
実を言うと、僕は話すことが苦手で(笑)。だから、基本的に自分から喋らないようにしています。お客様が求めていることをストレートに返す。それを心がけています。特に目黒区や港区は忙しくされている方が多いので、自分の話でお客様の貴重な時間を使うのはあまりよくないんじゃないかなという思いもあって。できるだけコンパクトに要件を伝えることを意識しています。
ただ、人によって得意不得意がありますから。喋るのが得意なセールスはどんどん盛り上げていく方がいいと思います。僕も時には、納車のタイミングで冗談まじりに次の車の話をすることもあります(笑)。もちろん、それくらい気さくに話ができる関係性を築かないとできないことではありますが。
1位と2位では数字以上の差がある。だから、トップを狙う
――辻さんは2019年に全国の正規ディーラーのなかでトップセールスパーソンに選ばれたと聞きました。
おかげさまで2019年に1位を獲得することができました。実は2018年に全国2位で。そのときにすごく悔しくて、「来年こそは絶対に1位になるぞ!」と意気込んで2019年は走り続けました。毎年トップを目指して仕事をしていますが、特に力が入りましたね。
世界で最も高い山がエベレストであることを知らない人はほとんどいないと思いますが、2番目の山はどこかと聞かれてもピンとくる人は少ないですよね。まさにその状態でした。1位と2位を両方味わった身としては、周りの反応が全然違うんです。だからこそ、トップを目指す必要があるのかなとあらためて感じています。

でも、これは僕自身の力で獲得したものではなく、目黒店に在籍しているセールス、サービス、アテンダントの協力があって実現したものです。そうした人との巡り合わせの運のよさが自分にはあると思います。
――上位に入賞すると本国への研修旅行があるそうですね。
毎年春に開催されるのですが、本社があるスウェーデンで1週間ほど研修を受けます。工場を見学したり、北欧の文化やデザインに触れたりすることで、さらにボルボの魅力を感じることができます。また、年間表彰で上位に入った人たちと直に会話ができるので、そのなかで得た知見が普段の仕事にも役立っています。


トップセールスはみんな、新車購入の提案を恐れない
――ちなみに、2019年は何台ほど販売したのでしょうか?
2019年は123台です。前年の成績を上回ることを目標にしているので、2020年はさらに売りたいと考えています。
――123台ということは、単純計算で3日に1台売っていることになりますね!売るコツはあるのでしょうか?
お客様によってタイプが異なるので一概には言えないのですが、一番は会って話すことです。ただ、それまでにいろんな段階を踏んで関係性を築く必要があります。
僕自身、営業の電話をいただく機会があるのですが、親しくない人から連絡が来ても面倒だなと思うだけなんですよね。この人なら会ってもいい、と思っていただくためにはコツコツと信頼関係を築く努力をしていく必要があると思います。
また、これは研修旅行で他店舗のセールスと話していて共通していたのですが、みんな乗り換えの提案を恐れてないんすでね。
――というと?
車検まで乗らないといけないという考えを持ってないんです。お客様のことを考えたら、常に最新の車を提案した方が実はいいんです。「安全性」は日進月歩で進化していますし、事故のリスクを減らすという意味では最新の安全装備に勝るものはないと思うので。

あとはアフターケアをきちんとすることですね。車種によっては納期まで4、5ヵ月、長いと10ヵ月はお待たせしてしまうこともあります。大きな買い物ですから、場合によってはキャンセルにつながることも少なくありません。定期的に連絡して状況をお伝えすることはもちろんですが、リース商品を通常よりリーズナブルな金額でご提案するなど、納車まできちんと対応することが大切です。
個人としても、チームとしても最高の結果を出せる人になりたい
――辻さんは仕事をするなかで、どのようなことにやりがいを感じていますか?
やっぱり、お客様に喜んでいただく瞬間が一番うれしいです。虎ノ門店に在籍していた頃にはじめてお客様になっていただいた方は特に印象に残っています。このお客様とは現在も付き合いがあり、その間に2台乗り換えのご提案をさせていただきました。いつも「辻くんに任せるよ!」と言ってくださっていて、大きな信頼をいただいていることに責任感を持ちつつも、とてもやりがいを感じますね。そんなお客様を一人でも多く増やせるように心がけています。
――2020年は何を目標にしているのでしょうか?
年間表彰には個人部門だけでなく、店舗部門もあるんですね。こちらは販売台数だけでなく、顧客満足度など複数の項目でクォーターごとに高評価を得る必要があります。2019年はあともう少しのところで表彰を逃してしまったので、今年こそ獲りたいなと考えています。目標は3位以内です。
――そうすると、個人だけではなく、チームとしていかに一致団結していくかがより重要になりそうですね。
そうですね。目黒店は吉田GM(ジェネラルマネージャー)がチームを牽引して、すばらしいチームになっているので、絶対に入賞できると信じています。

――最後に、これからどのようなキャリアを築いていきたいと考えていますか?
セールスとして走り続けたいという気持ちがある一方で、いずれは店舗全体をマネジメントする立場になりたいと考えています。その点、身近に吉田GMというモデルがいるので、いろんなことを吸収して成長していきたいですね。
- TEXT BY 村上広大
- PHOTOS BY 玉村敬太
- EDIT BY 瀬尾陽(BNL)