日本のものづくりに革命を。アクセンチュアのインダストリーXが、デジタル変革でものづくりの未来を創造する

世界各国から「ものづくり大国」として高い評価を受けてきた日本の製造業。しかし、近年は後継者不足やデジタルシフトの遅れで、長らく停滞した状況が続いている。変わりゆく社会情勢に対応しながら、ユーザーのニーズにマッチした製品を作り続けるにはどうすればいいのか。アクセンチュアのインダストリーX本部では、日本のものづくりに革命を起こすべく、研究開発、エンジニアリング、製造、サービス業務など、あらゆる段階におけるデジタル変革を支援。クライアントのビジネスの生産性・安全性・持続可能性の向上を実現していく。インダストリーX本部のマネジャー八城優美へのインタビューを通じて、業界の現状を打開するベストプラクティスと、働きやすいカルチャー変革に迫る。


製造業界からアクセンチュアへ。決め手は挑戦できる環境と働きやすさのバランス

──まず、これまでのキャリア変遷について聞かせてください。

新卒で機械部品の専門商社に入社し、商品企画部でFA(ファクトリーオートメーション)に携わっていました。生産現場の改善指導から売上促進のPRまで、サプライチェーンの一連のプロセスを経験しています。マーケットのなかで自社製品のブランド力を確立していくことに取り組んでいたのですが、5年目に大きな組織変革があり他社製品も一緒に販売していく必要が出てきました。それまでのミッションと、これからやるべきことの間で大きな乖離が生まれ、葛藤を上手く言語化できない状態に陥ってしまいました。組織体制について私なりの考えもあったのですが、感情が先行して論理的にアウトプットできない状態だったのです。

また、同じ部署で5年ほど働いていると、良くも悪くも翌年も同じような取り組みになることが想像でき、自身のキャリアを考えてさらに成長したい、新たな環境で挑戦したいと考えるようになりました。転職先として志望していたのは、当時の自分に足りなかったロジカルな思考と分析能力を身につけられるコンサルティング業界でした。

八城 優美(やしろゆうみ)
インダストリーX本部 マネジャー
機械部品の専門商社を経て、2016年にアクセンチュア入社。製造・小売業界を中心にBPRによる業務の可視化・人員再配置、基幹システムの刷新PMOなどを担当。直近では、自動車業界におけるセキュリティ関連のプロジェクトでPMOを担当。

──アクセンチュアに入社しようと思ったきっかけを教えてください。

コンサルティングファーム各社にエントリーしましたが、最終的にアクセンチュアを選んだのは、働きやすい環境が整っていると感じたからです。ちょうど私自身も生活環境の転機を控えていて、キャリアアップと同時にワークライフバランスを重要視するようになっていました。選考後に人事に質問したところ、働きやすさの一例として、アクセンチュアではどれだけ育児休暇を取得した人が増えたのか、現在どれだけの人が取得しているのか、わかりやすく数字で説明してくれました。

競合他社と呼ばれるコンサル会社群にどのような違いがあるのか理解するのは難しかったのですが、環境面では、他社よりも信頼できる数字でアウトプットしてくれたことで、実態が伴っている会社だと感じて入社を決めました。事実、女性社員の育児休業取得率100%、男性社員の育児休暇取得率も高く(編集部注 2021年9月時点で36.7%)、全国平均を大幅に上回っており、私自身も入社してから働きやすさを実感しています。

──入社後はどのような業務に携わってきましたか?

インダストリーX本部の前身となるグループで、製造・小売業界におけるサプライチェーンの改善に取り組んでいました。例えば、あるプロジェクトではアパレル企業のBPR(業務の抜本的な見直しや設計)を2年半ほど担当していました。商品企画部から業務効率化をスタートし、他の部署やサブ・ブランドについても業務内容を調査し標準化・簡素化しながら生産性を高めることに注力しました。

最終的にはグループ会社全体でそれぞれのプロセスを見直しながら、組織内で重複している役割や業務を洗い出し、人員の整理と再配置をご提案しました。さらに、企業の売上を高めるため、広告などのデジタル・マーケティング施策の提案もさせていただきました。

その後は10か月ほど産休を取得し、復帰後には基幹システムの刷新プロジェクトのPMOを担当しました。物流会社の基幹システムの刷新に2年ほど取り組みました。今までの製造・小売業界の経験を活かせる環境として、インダストリーXにジョインしたのはその後のことです。

ものづくりに革命を。あらゆるデジタル変革を支援

ーーインダストリーX本部は、どのようなミッションを担っているのでしょうか。

製造業をはじめとする様々な業界にデジタル変革を起こし、根本から変えていくことが私たちのミッションです。組織名の「インダストリーX」は、ドイツが進める製造業の国家プロジェクト「インダストリー4.0(第4次産業革命)」の進化系であることを、未知を表す「X」という数字で表現しています。既存産業の変化だけではなく、産業のクロスや融合、まだ見ぬ新たなサービス、業務プロセスの変革も推進する。具体的には、研究開発、エンジニアリング、製造、サービス業務など、ものづくりのあらゆる段階におけるデジタル変革を支援する組織です。

日本の製造業の歴史を振り返ってみると、20世紀には世界でも最高水準の技術を誇り、各国から注目されていました。しかし、21世紀に差しかかるにつれて、ものづくりよりも消費者の意向を取り入れたサービス開発の必要性が高まり、海外のIT大手企業に先を越されるようになってしまったのです。この状況を改善するため、インダストリーXは業界全体の変革を推進していきます。

ーー日本の製造業が抱えている課題について教えてください。

課題は大きく二つあります。一つ目は人材不足の問題で、50代、60代を超える熟練の技術者たちが、自らの技術を継承しようとしても簡単にはいかないのが現実です。技術を受け継ぐ30代、40代の働き手が圧倒的に不足しているのです。

二つ目に、工場設備や管理体制でレガシーな体質がそのまま残っていることがあげられます。工場の各ラインや物流網において、データ管理の手法がExcelや紙ベースのことが未だに多く、デジタルに置き換えていく必要があると感じています。製造オペレーションでも、生産性より旧来の進め方を重視しているケースがあるので、まだまだ改善の余地があります。

インダストリーX本部は、ものづくり企業がより収益性の高い、持続可能なビジネスを構築できるよう、実証済みのベストプラクティスとソリューションを提供していく。ものづくりの方法のみならず、プロダクトそのものを変えることも重要だ。


──インダストリーX本部はどのようなサービスを提供しているのでしょうか。

提供しているサービス領域をいくつかご紹介します。まずは、サービス企画からハード・ソフト設計開発、プラットフォーム構築運用です。上流の商品コンセプトの企画構想フェーズの支援や、その後の研究開発で価値を発揮するケースもあります。

さらに、商品がお客様に届けられた後のアフターサービスや製品に関する情報コンテンツ、インタラクティブなコミュニケーションを実現できるUI構築もサポート。いわば、売上促進だけではなく、ユーザーに寄り添いながら進化を続ける製品・サービスの構築を支援しています。

次に、デジタルを駆使した生産・操業設備の価値向上です。生産・物流領域に対して、AI、クラウド、5G、ロボティクスなどのテクノロジーとデータをフル活用し、効率的かつサステナブルに自動化していきます。

サプライチェーン全体を設計しながらも、例えば工場や製造現場など製造業界では古い業務オペレーションが残っているので、部分的なデジタル化から取り組んでいくことが多いです。ロボットが活躍するスマートファクトリーを映像で目にすることも多いと思いますが、あのような自動化が高度なオペレーションに基づき行われるケースもあります。

これらの他にも、システムの実装を支えるクラウドやアナリティクスなど様々なテクノロジーをインダストリーX本部で活用しています。ITシステムについて豊富な知見を持つメンバーが社内では多く活躍しており、全体のアーキテクチャを描けるような人材も求められています。

プロダクトの中枢を、アクセンチュアの専門家が改善

ーーインダストリーX本部で取り組んでいるオファリングの事例を教えてください。

私が担当してきた事例として、自動車業界のコネクテッドカーに関するプロジェクトがあげられます。セキュリティ関連各部署に対してプロジェクトを推進するPMO業務をおこなっており、プロジェクトが拡大を続け現在では数十名のご支援体制となっています。私はPMOという立場で契約関連、人員配置、予算管理などの業務に取り組んでいます。初期段階では、現状の業務状況の確認・調査など、改善が必要なところを把握することから始め、業務の標準化・社内サービスを使い外注化する事でプロジェクトの効率化を促進しています。

また、製造業の倉庫現場の設備・業務改善をお手伝いした事もありました。現場レベルでは「今までのやり方で問題なくやれてきた」という想いがあり、BPRを推進することに抵抗感がある方もいました。経営陣も現状の仕組みを変革する必要性を感じているものの、何がベストなのかを決断するのに、非常に頭を悩ませていました。もちろん、現場で課題意識を持っているエンジニアの方や、経営層で変革に前向きに取り組まれている方もいらっしゃいます。最終決定に至るまで、現場が一丸となって取り組めるようにインダストリーX本部のメンバーできめ細やかなサポートを心がけながら理解を促していきました。

ーーBPRへの理解を促すために工夫しているのはどのようなことでしょうか。

法規制や老朽化した設備・システムにより、デジタル変革の必要性やデッドラインはお客様の方でも理解されていますが、進め方についての知見が十分ではないケースが多いので、決断に至らないのではと考えています。そこで私たちがサポートしていきます。例えば、スタートをどれくらい先延ばしできるのか、他にオプションはないのかなど、変革に伴う様々な不安については専門知識を持った社内のプロフェッショナルたちを呼び、豊富なリソースを活用しながら理解・納得に繋げられるのは、アクセンチュアならではの強みだと思います。

また、現場の方々に対しては、社会的に在宅ワークが進んでいるような状況ではありますが、事情を理解してもらうような場面では、あえて対面でお話する方が有効だと感じることもあります。どの部分を課題として捉えているのか、リモートでは温度感が伝わりにくいこともあるため、対面のコミュニケーションも活用しています。

ーー企業変革を進める上で、インダストリーX本部の強みをどんなところに感じていますか?

アクセンチュアの強みにも繋がることだと思いますが、専門知識を持ったメンバーがチームや社内に多いことが強みだと思います。例えば、私が取り組んでいる自動車業界のプロジェクトでは、セキュリティ部門の支援を数十名ほどの体制でサポートしているのですが、私たちが抜けるとプロダクトが成り立たないと仰っていただけるほど、中枢部分を支援させてもらっています。プロジェクトを推進する専門家たちが新たなメンバーを育成しながら専門家集団を形成しているので、他の企業やチームが入ってすぐに代わりを務めるのは難しいと思います。

企業や社会への貢献にやりがいを感じますし、お客様を支援することで製品が成り立っていることに喜びを感じます。それは自分がユーザーとして体験できるサービスにも繋がっており、プロダクトの進化を体感することもできます。例えば、電気自動車やシェアカーなど、プロジェクトの成果をひとりのユーザーとして感じられます。これは、ものづくりの業界を支えているからこそ実感できる面白さかもしれません。

ものづくりの業界を支えることは、自分がユーザーとして利用する製品・サービスの価値を高めることに直結する。ユーザー視点も大切に企業へフィードバックしていくことが、さらにプロダクトの価値を向上させることに繋がっていく。


ーー日本のものづくり企業の未来について、思い描いていることはありますか。

20世紀の「ものづくり大国」だったころの日本に、もう一度戻ってほしいと考えています。現状は海外製品にかなり押されているような状況ですが、今も単純な技術力だけでいえば、日本は世界でも有数の技術水準を誇ると思います。しかし、単純な品質だけが社会で求められているわけではありません。電化製品でいえば、安価でそれなりの品質が求められるケースも増えています。つまり、日本の製造業の課題は技術力ではなく、ユーザーの声を反映してきちんとアウトプットすることにあるのです。自社製品の良さをしっかりと理解し、国内・海外のマーケットにしっかりとPRしていく。外部への最適なアウトプットは、入社前の私の課題にも繋がるテーマだと実感しています。

日本の製造業は“ガラパゴス化”しているといわれることもあります。高い技術力があるがゆえに独自規格を作りがちなので、そこに留まることなく、俯瞰した視点で日本のメーカーとして海外に何が発信できるのかを考える。これからは、業界全体で結集して海外へアウトプットしていくことも必要だと感じています。「ジャパン・アズ・ナンバーワン」と言われたころのポジションに返り咲くため、PRやブランディングにも注力して支援していきたいと思います。

製造業界で実現するカルチャー変革

ーーインダストリーX本部ではどのような人材が求められているのでしょうか?

社内に様々な領域のプロフェッショナルがいるので、スキルセット的に必須の専門性は特にありません。製造業界出身の方は順応しやすいかもしれませんが、単純にものづくりが好きでジョインしたメンバーも多いです。その他にも、未来的なスマートシティーを自分でつくっていきたい、自動走行の専門家になりたい、という想いで入ってきたメンバーもいます。ものづくりの未来を支えるインダストリーX本部には色々なポジションがあるので、自分のやりたいことに合わせて興味のあるプロジェクトを探せると思います。

ーー入社時に期待していた、働きやすさは感じられていますか?

まず、社内の雰囲気として育児休業や時短勤務を取得することに全く遠慮する必要がなく、出産後の復帰も非常にスムーズだったので、想像以上にキャリアと生活を両立しやすい環境だと感じています。また、社会的な働き方の変化に合わせて私も現在リモートで働いていますが、育児との両立が一層しやすくなりました。例えば、18時に事を切り上げると移動時間が無いので、すぐに、子どもをお風呂に入れたり一緒にご飯を食べたりと家の事ができます。、仕事が残っていたとしても家の事が一段落した後に対応する事が可能なため家庭にも業務にもゆとりが生まれ働きやすくなっていると感じています。

また、コンサルティングファームならではの働きやすさとして、プロジェクト制の働き方があげられます。プロジェクトが終了したタイミングであれば、チームやグループに負担なく長期休暇を取ることも可能です。一般的な事業会社のように日々の業務における特定のポジションを長期に空けてしまう後ろめたさや、復職時にポジションが無くなるのではないかといった心配もありません。

ーー製造業界の課題として、人材不足、そのなかでも女性比率が低いことがあげられます。働きやすい環境を実現するため、どんなことが必要だと感じていますか?

実際の現場でも女性比率が少ないことを実感するので、改善策の一つとして他の業界・企業における取り組みを導入することが有効かもしれません。アクセンチュアでは女性の活躍を推進するだけではなく、男女ともに尊重され成長の機会が等しく提供されています。一人ひとりの働きやすさにフォーカスしているので、例えば育児休暇にしてみても、「女性だから育児しなきゃいけない」ではなく、「育児したい人が育児をする」という考え方が根底にあり、マネジメント職の男性が育児休暇を3か月以上取得することが普通にあります。

私が携わっている製造業界でも、そういった新たな組織体制や働き方をご提案する形でご支援できたらと思います。事例を積み重ねることでより働きやすくなり、人材不足の解消、女性比率の向上に繋がっていくのではないでしょうか。製造業界の成長と課題解決に、全力で貢献していきたいと考えています。

キャリアアップとワークライフバランスを両立できる環境に、想像以上の働きやすさを感じているという。アクセンチュアの事例を製造業界の各社に伝えながら、デジタル変革のみならずカルチャー変革も実現していく。

  • TEXT BY 平原健士
  • PHOTO BY 黒羽政士
  • EDIT BY 小田川菜津子(Eight)

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