新時代のビジネスモデルは「人」を中心に創出していく。アクセンチュアが挑戦するエネルギー変革

高度にデジタル化された最新エネルギー技術の導入により、かつてない創造的破壊の時代を迎えている電力・ガス業界。エネルギー各社は、業界に根強く残る従来型のビジネスモデルや、保守的なアプローチの変革に迫られている。

アクセンチュアのビジネスコンサルティング本部で、電力・ガス領域に特化しているチームでは、発電、送電、配電からエネルギー取引および小売に至るまで、業務全般に関わる戦略、実践、運用サービスを提供し、システム変革を実現。電気エネルギーのプロフェッショナルとして活躍する、ビジネス コンサルティング本部 マネジャー杉江一浩へのインタビューを通じて、ゼロエミッションエネルギーの産業化と、人材育成を中心に据えた独自のエネルギー変革に迫る。


40歳の再挑戦。アクセンチュアで飛躍的な成長を目指す

──最初に、これまでのキャリア変遷について聞かせてください。

父親が会社を経営していたこともあり、大学で経済学を専攻した後で、経営学を学ぶためイギリスの大学院に留学しました。

その後、就職先として最終的に選んだのは人材派遣会社です。2008年当時は、日雇い派遣問題で大変な状況ではありましたが、企業の課題を「人」の力で解決する仕事に魅力を感じて入社を決めました。当初はクライアント企業に出向して、コンタクトセンターの業務を回しながら、現場で働く派遣スタッフの管理を担当していました。それらのプロジェクト管理で一定の成果を得られたため、その後は本社で人材派遣の営業活動に携わるようになりました。

営業の仕事は性格的に合っていましたが、セールスよりもコンサルティングのスキルを高めていきたいと内心考えていました。そこで、省エネルギー事業においてコンサルティングサービスを提供するベンチャーに転職。「人」を教育しながら成果を出す事業モデルに、興味を持ったことが転職のきっかけです。

杉江一浩(すぎえかずひろ)
ビジネス コンサルティング本部 コンサルティンググループ マネジャー
人材派遣業界を経て、省エネ関連のベンチャーでコンサルティング業務に従事。アクセンチュア入社後は電力・ガス業界を中心に、要件定義、システム設計、各種のテストなどを担当。ネットゼロエミッション(温室効果ガスの実質ゼロ化)の実現に向け、エネルギー変革を推進している。

──電力・ガス業界未経験で、苦労したこともあったのではないでしょうか。

苦労というよりも、未知の業界へ転職したことにより、電力への興味関心が一気に高まりました。取り組んでいたのは、全国のスーパーマーケットを中心にした設備のコンサルティング業務です。例えば、出退勤時の照明やエアコンのオン・オフの切り替えや、コールドチェーンの使い方など、設備そのものを大幅に変えるのではなく、従来の設備でコスト削減する効率的な方法をお伝えしていました。電力の最適な使い方をお話していたので、コンサルティングよりも指導に近かったかもしれません。

一つひとつの小さな改善で、日々のコストは大きく削減できます。今まで意識することのなかった電気エネルギーに触れるうちに興味が高まり、この分野をキャリアの軸にしていきたいという意識が芽生えました。それまで電気系の知識は全くありませんでしたが、営業メンバーとして10年ほど全国各地をまわりながら、知見を蓄えていきました。

──その後、アクセンチュアへ入社しようと思ったのはなぜですか。

当時勤めていた企業の業務環境や一緒に働くメンバーに全く不満はありませんでしたが、自分にとって今後大きな成長が見込めるかどうか、漠然とした不安を感じていました。延長線上の成長はできても、飛躍的なステップアップは期待できないかもしれない。40歳を目前に控え、自分のステージをもっと高めたいと感じていました。その時に思い出したのが、アクセンチュアです。実は新卒の頃にアクセンチュア含め、コンサルティングファームに何社かエントリーしたことがあったのです。失敗してもいいから大きな成長を目指して、もう一度チャレンジすることを決意しました。

実際にアクセンチュアの面接を受けてみると、私が無意識のうちに抱いていたコンサルティング業界の先入観に気付かされました。きれいに整理された分厚い提案書を作成するだけして、その後の実際の経営結果については責任を負わない、それがコンサルティングだと思っていましたが、アクセンチュアは全く違います。戦略提案から入り、システム構築まで一気通貫で伴走しながら、クライアントであるお客様と一緒に新たなビジネスをつくっていく。戦略策定に責任を負うスタイルに共鳴し、新たな環境で自分を磨いていきたいと思いました。

探究心を強みに、エネルギー変革を推進

──アクセンチュア入社後はどのような業務に携わってきましたか?

最初に担当したプロジェクトは、電力・ガス業界における大手グループ企業の案件です。今後の事業展開を見据えながら、組織体制や社員教育など、各種の実行支援を推進していましたが、コンサルティング業界が未経験だったこともあり、かなり苦戦し、事業成長に繋がる有効な指針を示せないことに不甲斐なさを感じていました。

その様子を見ていたスーパーバイザー(プロジェクトの先輩)が「このままでは潰れてしまう」と感じ、成功体験を積ませるためにも別プロジェクトへ移ることを提案してくれました。そちらは電力会社の案件で、コンタクトセンターの受付システムを刷新していくプロジェクトです。DXで業務効率化を実現するため、要件定義から設計、各種のテストなど、各フェーズをまたいで2年半ほどお客様に伴走しました。お客様に寄り添いながらコミュニケーションを重ね、社内外に向けて価値を提供することにより、ようやくそこで自分の存在意義を実感できました。

前職でもシステム構築に発注側の責任者として携わっていましたが、今から考えるとベンダー側の意向に非常に左右されていたと感じています。本質的な理解が十分ではなかったので、アクセンチュアで学び直すことが多くありました。何がシステム設計の肝になるのか、どこまでの粒度で考えるべきなのか、システム開発における最適な基準も知ることができます。インプットとアウトプットを速い時間軸で繰り返すので、キャッチアップで大変さを感じることもありましたが、現在まで仕事を嫌になることは全くありません。それはきっと、確かな成長を日々感じられるからだと思います。

今までよりも一段上のレイヤーで仕事とキャリアを歩めると感じて、彼はアクセンチュアを選んだ。電気エネルギーへの愛情をクライアントへ素直に伝えることで、お互いの関係性を強固に構築していく。

──前職での経験を活かせる場面もありましたか。

もちろんです。コンサルティング業界未経験の中途入社メンバーに共通することだと思いますが、最初は、前職までの経験を活かせるプロジェクトに参画することが多いです。今まで蓄えてきた知見をベースに、アクセンチュアのノウハウやシステムをアドオンしていく。0から1を生み出すのではなく、1や2からスタートできるのでとても働きやすいです。

また、特定の業界に興味があれば、その探究心が働く上での強みになります。例えば、私は前職での経験から電気に対する興味が人一倍あります。その想いを電力業界のお客様へ素直に伝えることで、「杉江さん以上に電気を好きな人はいない」という言葉をいただくこともあります。同じ目線でビジネスを考えられるパートナーとして認めていただけることで、仕事にやりがいを感じます。

──在籍しているビジネス コンサルティング本部の電力・ガス業界向けコンサルティングのチームはどのような独自性や強みがあるのでしょう。

事業戦略の構築を支援するだけではなく、社会課題となっているネットゼロエミッション(温室効果ガスの実質ゼロ化)に取り組みながら、未来に向けたエネルギー変革を推進できることです。電力会社では、市場調達の問題、小売部門における営業改善、顧客とのリレーションシップ、さらには新規事業の創出がテーマになることもあります。

また、電力・ガス業界で求められている大きなテーマは、人材育成です。電力業界各社では、震災以降に新卒採用を一時的に止めたことにより、社内人材の空洞化が起こっているケースが多くあります。どのように技術や知識の移転を進めていくのか、どうやって後継者を育てていくのか、解決するべき課題は多岐にわたります。電力・ガス業界におけるさまざまなレイヤーの変革を、グローバルの知見を活用しながら支援することが求められます。

伴走しながら、社員教育を活性化させる

──電力・ガス業界のクライアントから寄せられる課題について教えてください。

ネットゼロエミッションに適合させるため、どのように事業を変えていくのか、業界内には課題が山積みです。旧一般電気事業者でいえば、どの企業でも何らかのプロジェクトや企画構想を進めているものの、専門人材の不足が深刻化しています。

その背景としては、自由化によって売上の源泉を獲得しにくい事業構造があります。供給エリア内のシェアは右肩下がりで減少していく中、事業拡大のためには供給エリア外への事業展開が重要なキーとなります。ただ、自由化以前はエリア外でほとんど営業活動を行なってこなかったため、どこも自前では思うような事業拡大が進んでいない状況です。そうなると、事業戦略上外部の知見や営業力に頼らざるをえません。経営サイドではコンサルティング会社、現場レベルでは代理店を上手く活用していくことが必要になってきます。

外部の知見を活用することは有効な手段ですが、そこに依存するような構造になってしまうと、企業の独自性や柔軟性が失われてしまいます。外部のアドバイスがないと事業継続できず、売上も減っていく。人材を育てることがさらに難しくなり、挑戦的な新規事業にも取り組めない。そんな負のスパイラルに陥ってしまいます。

ときには現場のオペレーションレベルまで踏み込んでいく。スキル水準やメンバー内訳、さらにはマネジメントのルートまで把握しながら顧客価値を最大化する。その後、クライアントから寄せられるフィードバックが仕事のやりがいだ。

──課題を解決するため、どのような取り組みを行なっているのでしょうか?

一般的な経営コンサルティングとは少し異なり、人材不足を解消するため「社員教育」に重点を置いてお客様に伴走します。従来であれば、依頼内容に応じてさまざまなアウトプットを提示するところを、あえて課題に対してお客さまと一緒に取り組むかたちをとることもあります。「解決案をどのようにまとめましょうか」、「こちらの論点も加えたほうがいいかもしれません」という風に、お客様側の積極的な課題解決を促します。多くの経験を積んでスキルを高めていくことが、社員教育を活性化することに繋がるからです。

また、アクセンチュアの人材・組織コンサルティングチームと連携しながら、組織育成のノウハウを提供・活用することも行なっています。他業界の知見を活かし、現場レベルの課題を深く理解した改善策を提案するので、お客様の組織をスピーディーに変革できます。経営層から現場まで、一気通貫で価値を提供できることが、他社にはないアクセンチュアの強みではないでしょうか。

必要なのは成長意欲。年齢は一切関係ない

──アクセンチュアの電力・ガス業界向けコンサルティングのチームでは、どのような人材が求められているのでしょうか?

社内で活躍するメンバーに共通して言えることですが、親身にお客様のことを考え、何が最良の選択なのか、常に思考することが重要です。そのようなマインドを持っている方は、自分が成長できる場所を貪欲に求めていく傾向が強いので、入社後にどんどんスキルを高められると思います。私自身、入社時に十分なスキルを持ち合わせていませんでしたが、働くなかで必要なことをキャッチアップできました。あとは、電力・ガス業界やエネルギーシステムに興味関心があれば、目指すキャリアに向けて自分らしい立ち位置を確立できると思います。

また、成長意欲があれば、年齢に関することは一切気にする必要はありません。コンサルティングが未経験だからとか、年齢が30代後半だからという不安があったとしても、恐れることなく挑戦してほしいと思います。私は40歳で入社しましたが、コンサルタントとしてアクセンチュアでのキャリアをスタートし、現在はマネジャーにステップアップしています。

──今後どのようなことに挑戦していきたいのか教えてください。

電力・ガス業界に対しては、先ほど申し上げたような「負のスパイラル」からどのように脱却させていくのか、重点的に取り組んでいきたいと考えています。お客様に貢献しながら新たな価値を提供することは、私にとってのライフワークですが、複雑化する課題を前にしてアウトプットの量と質をさらに高めていく必要性を感じています。

チームの取り組みとしては、同じ意識を持ったメンバーを集めて、お客様からのポジティブなフィードバックを共有できる機会を増やしていきたいです。スキルを高め合うことは大切ですが、日々のマインドを醸成することも同じく重要だからです。やはり、仕事は楽しくないと続きません。プロジェクトでのどのようなシーンやアウトプットにやりがいを見出すのかなど、年長者ならではの視点でメンバー育成に取り組んでいきたいと考えています。お客様のみならず、チーム全体にもコミットしていく。それが、さらなる価値の創造につながるのではないでしょうか。

個人でクライアントに支持されることを目指すのではなく、チームでどれだけの価値を提供できるのか。マネジャーとしての存在意義も見出していく。彼の挑戦と成長は、決して終わることがない。
  • TEXT BY 平原健士
  • PHOTO BY 黒羽政士
  • EDIT BY 田尻亨太(VALUE WORKS)
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