世界をリードするボストン コンサルティング グループ――デジタル領域を担う組織で働く醍醐味と、成長を加速させるカルチャーの魅力

世界トップレベルのコンサルティングファームとして国内でも随一の存在感を誇るボストン コンサルティング グループ(以下、BCG)。多様性を体現したこの組織の中で、業界を問わず様々な企業の経営課題をIT・デジタルの側面から解決へと導くのが「Technology Advantage」(以下、TA)である。

現在、世界中で注目される「パーパス経営」にかねてから取り組んできた同社。‟Unlocking the potential of those who advance the world(世界を前進させる人や組織の潜在力を解き放つ)”を自社のパーパスに掲げ、企業や人の成長可能性を最大限に後押しできる組織づくりに一貫して向き合うのも同社の魅力的な特徴だ。そのカルチャーとIT・デジタル領域の課題解決の交点には、どのような働きがいがあるのだろうか。戦略コンサルタントとしてTAに所属する、柏戸 良に聞いた。


企業の課題解決に上流工程から関わりたいと志し、世界トップクラスのコンサルティングファームへ

──はじめに、柏戸様のキャリアを教えてください。
2013年に大学を卒業後、ITを基軸としたコンサルティングとソリューション提供を行う大手システムインテグレーターに入社しました。IT技術によって企業課題を解決し、企業成長を支援する仕事がしたいと思ったことが入社の理由です。

在籍した4年間は、システムエンジニアとして金融機関向けのシステム開発・提案業務に携わりました。要件定義や設計、コーディングなど、一通りの流れを経験し、スキル面で成長できたという実感があります。

──そこからBCGへの転職を志したきっかけは何ですか?
前職も仕事自体は楽しかったのですが、入社時に志向していた企業の課題解決や成長支援というよりは、現場のオペレーションや個別の課題にフォーカスしている印象がありました。また、プロジェクトの上流にある経営課題に向き合う機会にもなかなか恵まれず、自分のやりたいことと現実とのギャップをもどかしく感じ始めたことが、転職を考えたきっかけです。

さまざまな企業を調べていくうちに、自身のやりたいことに適しているのは経営コンサルティングだという答えにたどりつき、コンサルティングファームを中心に転職活動を進めました。

その中で最終的にBCGを選んだ理由は、企業としてのプレゼンスの高さに惹かれたことが決め手です。早くから日本市場に参入し、日本のコンサルティング業界で圧倒的な存在感のあるBCGであれば、自分が求めていた幅広い業界、テーマに携われる機会も多いだろうし、多様な人材と一緒に仕事を進めるなかで成長できるだろうと考えました。

柏戸 良
プロジェクトリーダー。早稲田大学卒業後、大手日系システムコンサルティング会社にて金融機関向けのシステム開発・保守業務に4年間従事後、BCGに入社。BCGでは金融機関向けの経営戦略策定や事業効率化、HRサービス会社向けの新規事業立ち上げや業務のデジタル化を経験。現在は保険会社向けのアジャイルな組織づくりに従事。

──実際に入社して感じたBCGの印象はいかがですか。
パーパス、企業の存在意義を重要視する企業だというのは面接のときから感じていましたが、実際に入社してみると、社内への浸透度合いは想像以上でしたね。BCGは‟Unlocking the potential of those who advance the world(世界を前進させる人や組織の潜在力を解き放つ)”というパーパスのもと、「5つの原則」と呼ばれる行動指針を掲げています。

その中で、私が特に特徴的だと感じたのは「他者の成長を助けることで自らも成長する」という原則です。これはコンサルティングという事業を通じてクライアントを支援することはもちろんのこと、自社のメンバー同士、ひいては他者や社会に対して向き合う姿勢にも表れていて、社内を見ていても他人のために惜しみなく知識や時間を分け与えてくれる方が非常に多いです。このパーパスの浸透によって作られたカルチャーが、BCGの特徴のひとつであり、競争の源泉とも言えると思っています。

【BCGのパーパス(存在意義)】
Unlocking the potential of those who advance the world
世界を前進させる人や組織の潜在力を解き放つ

【5つの原則】
1.インサイトを導き出す
2.すばらしいインパクトの火付け役となる
3.複雑性を克服する
4.高い倫理観と誠実さをもってリードする
5.他者の成長を助けることで自らも成長する

例えば、入社後初めてプロジェクトに参加したとき、当時のリーダーがまさにこの原則の通り私の成長を助けてくれました。多忙な中で週に一度は必ず個別に話す時間を設け、次のアクションに導くためのサポートに時間を費やしてくれました。まだ手探りで案件に取り組んでいた中で、自分がやるべきことを言語化し日々の仕事に落とし込む力がつき、数カ月間のプロジェクトを終えて成長を実感できたことも、自身にとって大きな実りでした。入社前には未経験の業務にやはり不安を感じていたのですが、この経験を経て払拭できたと思います。

──その後5年間BCGで働いて、ご自身の中でどのような変化がありましたか。
システムエンジニアだった頃の私は、プロジェクトの前提を自ら考えるタイプではあったものの、その視野は限定的だったと思います。それがこの5年間のBCGでの経験で、「経営者の深く幅広く、答えのない悩み」に常に向き合い、本質的な解決へと導くために試行錯誤を重ねたことで、以前に比べ格段に視野が広くなったと思います。

私たちはパーパスで掲げているように、世界を前進させるようなポテンシャルを持つ企業や人にフォーカスし、徹底的に向き合おうとする組織です。その意識は働く中で常にありますし、私以外の全メンバーに共通する想いだと感じます。

このポテンシャルとは、言い換えれば「成長意欲」だと考えています。企業や人が持つ「より良く在りたい」という可能性を実現するために、これから自分も成長していきたいです。

ダイナミックな成長支援にデジタル技術やIT戦略の力を発揮する

──ここからもう少し具体的な業務のお話をお聞きしたく、改めて現在の担当領域を教えて頂けますか。
戦略コンサルタントとして企業の経営課題を解決していますが、私の場合はTAの機能軸に軸足を置いており、IT・デジタル技術を活用する課題領域を主に担当しています。

──お話できる範囲で携わったプロジェクト事例を聞きたいです。
現在は、ある保険業界のクライアント企業に対し、組織の意思決定スピードを早めたり、業務の機動性を高めることを目的に、アジャイルの考え方に基づいた組織変革を推進するプロジェクトに携わっています。

保険業界は比較的レガシーな組織体制が残っており、意思決定に時間がかかるといった課題があります。この解決手段として、私たちはソフトウエア開発の一手法であるアジャイルを展開しました。

このプロジェクトは経営全体のDXに直結しており、ゴールの設定から必要な組織体制のデザイン、さらにはそれに付随した人事制度やガバナンスの見直しといったところまで支援が及びます。

こういった大規模なプロジェクトでは、グローバルも含めたエキスパートチームと連携しつつ、長期間かけてクライアント企業に伴走することが常です。今回ご紹介したプロジェクトは今年で3年目になりますが、まさに私が希望していた企業の経営課題にダイレクトに関われる案件であり、個人的にもやりがいのあるプロジェクトだと感じています。

そのほか、DX支援といったテーマでわかりやすいものだと、人材紹介業界のクライアント企業に対し、業務オペレーションを可視化してデジタル化の余地があるフローを洗い出すプロジェクトにも携わりました。このプロジェクトでは、洗い出したものの中からコスト削減や売上向上に資する実現性の高いものの検証まで支援しています。

前職で取り組んできた金融領域での開発経験も自身の強み。メスが入りにくい部分にこそ、より大きな改革の余地がある。

──生き生きとされていますね。今、TA領域に従事する醍醐味はなんでしょうか?
デジタル技術を求める案件は、ここ数年で急激に増えています。昨今はコロナ禍でワークスタイル変革が浸透した影響もありDX推進が急速に進み、どのような案件に対しても課題解決のひとつの手段としてIT関連の施策が出てきます。

これは言い換えれば、あらゆる企業の課題に携われるチャンスであり、醍醐味とも言えます。手を挙げれば挑戦させてもらえる、自分がドライブできる範囲が非常に大きいチームです。それだけ担う責任も大きいですが、私は成長できる環境と捉えています。

成果を最大限発揮できる柔軟な環境と制度

──働き方の面では、BCGのどのような部分に魅力を感じますか?
全体として、とても柔軟な働き方ができる環境です。私の場合は、今はリモートワークを基軸にしつつ、必要なタイミングで出社したりハイブリッドな働き方ができています。

チームごとに働き方のルールを設定するのですが、そこでも個人のライフスタイルに合わせたスケジューリングを尊重してくれます。私は小さな子どもがいるので、子どもの送り迎えが必要な時間帯には極力ミーティングを入れないように調整しています。もちろん避けられない予定もありますが、プライベートの尊重が前提にあり非常にありがたく感じています。働きやすい環境だからこそ、成果を出せるという側面もあると思います。

──互いの成長を重視するというお話が出ていたので、教育制度についても教えてください。
教育制度については、入社前に想像していた以上に充実していました。いわゆるコンサルティングの基本スキルを磨くトレーニングが体系化されていて、国内だけでなくグローバル全体で提供している研修メニューも多数あり、1人1人の目指すキャリアを実現する制度が整っています。

社内のナレッジ共有という観点では、国内外の最新の業界トピックや事例を共有するシェアリングセッションが毎月インダストリーごとに開催されていたりして、自身の興味に応じて情報を取りにいける環境です。

特にグローバルネットワークがあることは、BCGの強みの一つだと思います。入社前はグローバルの力をそれほど意識していませんでしたが、それを体現したようなメンバーと一緒に学び連携できる環境が整っていることは、それだけで自分の視野を広げる助けになっていると思っています。

国内外の事例にすぐにアクセスしナレッジ共有できるのも大きな強みとなっている。

成長意欲を原動力に、激動の渦中にある企業と共に未来を創る

──柏戸様の考えるコンサルティング業の面白さと、今後の目標について教えてください。
まず、すぐに浮かんだのは、私が自身のキャリア設計の軸として掲げていた、「企業課題の解決や成長支援に深く関わることができるところ」です。特に現代は、グローバリゼーションや環境課題、DXといった複合的な課題軸が重なり合い、企業の経営環境は目まぐるしく変動しています。この変革の渦中にいる企業の経営層と共に議論し、経営の方向性を考えていく。こういった経験ができる仕事はなかなか無いと思います。

また、今後はそういった経験から自身が得られる専門性やケイパビリティといったものを磨き、クライアントである企業と共に、新しい価値や未来を創り上げていきたいです。

──BCGという組織で働く上での目標もお聞きしたいです。
社内に目を向けると、メンバーの成長支援にもっとフォーカスしていきたいです。マネージャーになった今でも、私自身が多くの先輩方から育てていただいていますが、入社当時に自分がそうしてもらったように後輩のスキル開発や人材教育にもっと注力したいです。

BCGでは人材の成長に関してよく「ストレッチ」という言葉を使っており、少し背伸びをして頑張ることで達成できる目標を設定し、それを任せきるというスタンスを重視しています。簡単に達成できることではなく、成長負荷のかかる挑戦の機会を設ける。そういったBCGのマインドを踏まえつつ、私も後輩に向き合っていきたいです。

──BCGで働く上で、大事にすべき視点はどんなところでしょうか。
まず、なによりも「クライアントファーストであること」です。我々の仕事はなによりもクライアントありきです。型にはまったような解ではなく、真の意味で顧客を理解し、本当の解決を実現すること。そのことに徹底的に向き合うことが大事です。

もうひとつ挙げたいのは、「チーム力を持つこと」です。ここまでお話ししたように、BCGにはお互いに助け合い、高め合う文化があります。ここには優秀なメンバーがたくさん在籍していますが、どんなに優秀でも一人の人間ができることは限られています。チームで成果を出し、その成果を最大限に高め社会にインパクトを生み出すために、周囲の人間と高め合って働く意識を持つことが望ましいと思います。

日々複雑さを増す目の前の課題に、チームで取り組み、大きなインパクトを生み出したい。

──最後に、この記事を読んでBCGに興味を持った方にメッセージをお願いできますでしょうか?
私はIT業界から転職してきましたが、BCGではバックグラウンドにこだわる採用は基本的にしていません。実際に活躍しているメンバーには、研究職出身の方、弁護士や医師資格を持つ方など、本当に多様な経歴を持った方が揃っています。

クライアントに対して真摯に向き合い、チームでコラボレーションしながら経営課題を解決したい。その過程で、自分自身も周囲も成長していきたい。そんな志を高く持っている方であれば、BCGは必ずフィットします。興味を抱いてくださった方はぜひ臆さずに、自分の可能性を試してください。

  • TEXT BY 宿木雪樹
  • PHOTO BY 塩川雄也
  • EDIT BY 小田川菜津子(Eight)・プレスラボ
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