目指すは自分たちがいなくなってもデータ活用がまわる社会。コネクトデータが描く未来像

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データ活用の重要性がますます高まり、分析会社が乱立する昨今。コネクトデータもそんなデータ活用技術の分野のプロフェッショナル集団だが、代表の安部晃生は「最後は私たちがいなくなる世の中が理想」と話す。安部が描くビジョンと、企業のアイデンティティを聞いた。


アカデミック系の研究所から民間のIT企業へ移り、データ分析・AIを実践してきたデータ分析のスペシャリストである安部晃生が、2018年に立ち上げたコネクトデータ。「テクノロジー・顧客・事業価値の架け橋となること」をミッションに、分析業務、開発業務、教育・人材育成など、データ活用に関するあらゆるビジネスフェーズを一貫して支援している。

あらゆる場所で「データ活用」の重要性は喧伝されるが、本当の意味で価値あるデータを見極め、かつ正しくするのはなかなか難しい、またそこには企業が直面する課題も多く存在する。そうした状況を変えるべく、“「テクノロジーによりデータが適切に活用される世界」の実現”を目指す同社の思いは誠実なものだ。では、データが「適切に活用される」というのはどうのような状態なのか?まずはデータ活用の現場における課題や変化からうかがった。

価値あるデータを見極め、正しく活用するために

――データ活用の最前線にいる安部さんからみた業界の動向について教えてください。2020年を迎えて、データ活用の現場ではどのような変化が起きていますか?

近年はAIという言葉がメディアでも当然のように使われていて、電子機器に詳しくない人でも知っているような状況になりつつありますよね。人々のAIへの警戒心も薄れてきて、生活に浸透してきています。そして自動運転や無人レジなど、これまでは人がいないとどうにもならないと思われていた領域まで無人化が進んできました。

これまでは人間とAIは別々に動くものだと考えられていましたが、最近は人間とAIは協力しながら未来を築いていくものという認識に変化しつつあります。

AIが私たちの生活とより密接になり、私たちの仕事のあり方も日々アップデートされている。そうしてデータ活用のニーズは高まっている中、その戦略を立案し実行してゆくことが、企業活動においてますます重要視されていると思います。

――データ活用の現場が変化し続けるなかで、企業がよく直面する課題があれば教えてください。

まず一つが、自分たちは充分にデータを蓄積していると思っているけど、データ活用では使えないというパターン。名刺を例にお話しすると、ただ名刺がスキャンされているだけでは駄目で、そこに書かれた名前や部署名がデータ化されてはじめて意味を持ちますよね。それと同様に、お客さまがデータだと思っているものと、データ活用で必要なものとがずれているケースがあります。

次に、データを貯めることにばかり特化して、どう使うかまで考えが及んでいないパターン。近年はセンサー技術が発達して膨大なデータを収集できるようになりましたが、いざその活用法を聞いてみると「これから考えます」と言われることも。「ビッグデータがあるから何かすごいことができるだろう」という漠然としたイメージを抱いている方は多いです。

――価値のあるデータを正しく活用していくための手段にたどりつけない企業が多いのですね。

「うまくいかないけど、何が問題かわからない」という企業が多い印象です。データ活用をしたい企業の多くが、一度は自社で取り組んだ経験があるのではないかと思います。ただ、自分たちで情報を調べているだけでは、どうもうまくいかない。それでコネクトデータにご連絡いただけるのかなと。

当社の強みはデータ分析と活用です。最初から最後まで一貫して対応できるので、お客さまが右も左もわからない状況から、お客さまだけでデータを運用できるようになるところまで支援できます。

「弊社のビッグデータを活かしたビジネスを」「AIを使って何かしよう」。そんな会話からプロジェクトが始まり、そして行き詰まったとき。気軽に相談できるパートナーがいれば心強い。

ITコンサルとエンジニア、両方の知見を備えた企業

――では、コネクトデータとはどのような企業なのか改めて教えてください。

コネクトデータはデータ活用が当たり前に行われる社会を目指して、2018年に設立した企業です。「データ活用」とひと言で言っても、そこには技術的な開発やデータ活用技術を実ビジネスに落とし込む企画、本当に実現可能かどうかの検証、実際のビジネス上での運用など、さまざまなフェーズがあります。こうした複数のフェーズをワンストップでお手伝いできるのがコネクトデータです。

――どのような思いがあって、コネクトデータを設立したのでしょうか?

私はもともとデータ分析とプログラミングに興味があり、大学では両方を勉強していました。この二つはビジネス上では重なる部分も多いのですが、それぞれ違う専門領域のため、どちらもできる人は多くありません。

データ分析で全体の大きな流れを整えるITコンサルタントと、細かい要望にあわせたプログラミングを実装するエンジニア。両方の知見があればもっと良いものができるのに、お互いがお互いの領域を把握していないせいでうまくいかない。社会に出て、ITコンサルタントやエンジニアとして仕事をする中で、そんな状況があることを常にもどかしく感じていました。

さらに近年はAIなども登場し、データ活用が複雑化してきています。そんな中では、プロジェクトを一貫して見守り、併走できるコンサルタントやエンジニアが求められます。データ活用の文脈で、データを実際に利用するところから支援し、ITに載せ、エンドユーザーにまで価値を提供できる。そんな企業が必要だという意識があり、コネクトデータを設立しました。

個人的には、以前在籍していた企業でデータ活用の検証だけを担当する機会が多く、なかなかやりがいを見いだせませんでした。一方で、立ち上げからお客さまと併走して、実際に運用を続けていくところまで担当する仕事に価値を感じていたことも大きな理由ですね。

――企業サイトでは「テクノロジー・顧客・事業価値の架け橋となること」をミッションに掲げています。お客さまと一緒にデータ活用を行うことを重視しているのでしょうか。

「対ひと」の仕事だという意識は強いですね。エンジニアの中には、職人的に自分のスキルを極めたいタイプの方もいますが、私たちはお客さまのビジネスの文脈の中でデータ活用を成功させることにこだわっています。企業として提供できる価値を最大にするためには、独りよがりになってはいけない、というか。

現在、コネクトデータには私含め4人の社員がいますが、「お客さまと向き合い何ができるか考える」「お客さまの業務の中にデータ分析を根づかせたい」というマインドは全員が共有していると思います。

外部データの活用を手軽に実現する「delika」

――現在はどのような業務が中心ですか。

データ活用の知見がないお客さまに対して、その企業の文脈でのデータ活用の定義、必要な技術の調査などを行っています。建設や通信、上下水道など、社会インフラの企業が多いですね。ITコンサルタントを行っている企業の支援として、商社や金融系を担当することもあります。

クライアント案件に加え、自社サービスの開発も行っています。その一つが、1月末にプレリリースした「delika」。外部データを利用して、すぐに高度な分析ができる環境を提供するプラットフォームです。

「delika」は「デリカテッセン」に由来。色々なデータを気軽につまめる、という意味が込められている。

分析に必要なデータは企業や業務内容によってさまざまですが、実際には共通して求められるものも多くあります。たとえば、天気のデータ。イベントの集客分析において天気の情報はとても重要ですが、自社で天気を計測している企業はほとんどありません。データを外部から集めるにしても、契約が大変だったり、処理に手間がかかったりすることもあります。

「delika」にはこうした外部データが、使いやすいかたちでそろっています。利用者は必要なデータを選択するだけ。個々に持っている内部データと掛け合わせることで、高度な分析ができるようになります。またデータセットを登録し公開することで、他の「delika」利用者に提供することも可能です。

いわば共通で利用できるオープンなデータを集め合って、誰もが活用できる場を作ろうというサービスですね。

――データ活用が当たり前に行われる社会を目指すという、コネクトデータのビジョンを体現するようなサービスですね。

そうですね。あと、データの利用者だけでなく提供者にもメリットがあるよう、マネタイズができたり、確実なセキュリティを実現するために改善を継続したりしています。今後は提供者、利用者両方のお客さまの意見を取り入れながら成長させていきたいです。

実は取材冒頭、「データ活用の企業としては、他社と大きな差はない」と語り始めた安部。しかし、いずれ自社がなくなる社会が理想と話すその理由と背景に、確かな信念が垣間見えた。

知識を社会に還元する方が、最後に得られるものは大きい

――お客さま自身でデータを運用できるようになると、コネクトデータの仕事はいつしか必要なくなるときが来ますよね?

極端なことを言えば、私たちがいなくてもデータ活用がまわる世の中が理想なんです。当社は社会がデータ活用できるようになるためのステージの変化の中で、それをサポートしているという立ち位置だと思っています。私たちがいなければお客さまが何もできないような状況は望んでいません。

――その背景にはどのような思いがあるのでしょうか。

先に言っておくと、自分が貧しくても良いとか、ボランティア精神でやっているわけではないですよ(笑)。まず、私自身がオープンな情報をもとにしながら専門知識を得てきた自覚があるので、知識を専門家だけが独占している状況をあまり望ましくないと感じているのだと思います。自分自身の価値を高めるという意味では、あまり広く知識を与えない方が良いというのもわかるんですけどね。

ただ、それよりも私は世の中に良い影響をもたらすことに興味がある。それに、そうして世の中の質が上がった方が、最終的には得られるものが多いと思うんです。「情けは人の為ならず」というか。

現場では実際に、お客さまと一緒になってデータ活用のプロジェクトをまわしていきます。案件の打ち合わせやセミナーでは、私たちの知識は積極的にお伝えするようにしていますよ。その過程でお客さまが今までわからなかったことを理解したり、自分でできるようになったりする瞬間がうれしいです。データ活用がうまく運用でき、それをもとにお客さまが新しいことをやっていける、そんなサイクルを作れたときにやりがいを感じますね。

実は取材冒頭、「データ活用の企業としては、他社と大きな差はない」と語り始めた安部。しかし、いずれ自社がなくなる社会が理想と話すその理由と背景に、確かな信念が垣間見えた。

――最後に、コネクトデータのこれからの展望を教えてください。

繰り返しになりますが、私たちコネクトデータがいなくなっても、誰もがデータ活用を正しく運用できる世の中を目指しています。そのために今後も技術的な変化があれば随時キャッチアップしていきたいし、その知識をお客さまに提供し続けていきたいですね。

  • TEXT BY 小沼理
  • PHOTOS BY 中川良輔
  • EDIT BY 大村実樹(東京通信社)