評価されるのは会社だけでなく自分自身。クライアントに寄り添う「スコープレス」な実行支援が、個と組織を成長させる

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2012年に創業した気鋭のコンサルティングファーム、株式会社ライズ・コンサルティング・グループ(以下、ライズ・コンサルティング)。わずか数人でスタートした同社は現在社員数120人規模となり、IPOを控えた今、さらに拡大し続けている。ベンチャーの風土が残る風通しの良い社風や透明性の高い評価制度、そしてクライアントに徹底的に寄り添う「スコープレス」な実行支援について話を伺った。


コンサルは「紙書き」ではない。変化に柔軟に対応するスコープレスな実行支援

――まずは、ライズ・コンサルティングの事業内容について教えてください。同業他社と比べてどんな強みや特徴がありますか?

内田匠(以下、内田) :弊社はコンサルティングファームのなかでも、いわゆる総合系コンサルティングファームとして活動しています。新規事業や海外進出などの戦略コンサルティングと呼ばれるようなテーマから、業務改革、IT戦略、システム開発のPMOまで、幅広く取り扱っております。

最近、強化しているのはDX、デジタルの領域です。弊社では「NewTech」と呼んでいる、AIやIoTといったような先端技術の知見をかなり蓄えていて、多くの企業を支援させていただいております。

強みという意味で言うと、稼働率を100%に近い水準まで引き上げることで無駄な待機コストを抑えているので、例えば同じ案件を大手がやるときに比べて、クライアントからいただくフィーがかなり安いです。それでも品質は高く、適正なコストと納品スケジュールで進行できる。QCD全部揃っているのも、選んでいただける理由だと思います。

内田匠
株式会社ライズ・コンサルティング・グループ 執行役員 パートナー
最新技術(Fintech・IoT・AI)を活用した新規事業立案、及び成長戦略の策定に強みを持つ。プロジェクトの傍ら、自社シンガポール拠点の立上げや、2016年~2018年新卒の採用に携わる。その他、2016年にテニス実業団チームを結成し、監督を務めている。

また、弊社が重きを置いているのが実行支援。昔のコンサルティングって、レポートを書いて戦略として提示する、いわゆる「紙書き」みたいなイメージがけっこう強いかなと思うんです。

ですが、私たちはクライアントとワンチームとなることを重視しています。弊社のスタイルとして80%以上は常駐なので、クライアントのオフィスでチームとして顔をつき合わせて、実際にクライアントの事業や業務を変えていきます。そして新しい事業の立ち上げや、業務改善を成果物として納品する。そういったやり方が強みかなと思います。

――一方的に戦略を提示するのではなく、チームの一員としてコミットしていくんですね。

内田:そうですね。弊社では「スコープレス」という独自の手法を掲げています。外資系のファームですと、案件が始まる前からある程度スコープ(プロジェクトの範囲)が固まっていて、その範囲内でやるという感じ。でも実際、クライアントの課題は常に変化していくものです。弊社はそれに合わせて優先順位の高い課題を見極めて注力する、都度スコープを変えていくような方法をとっています。これにより、限られた期間で最大の成果をもたらすことができるようになります。

――では、おふたりそれぞれの経歴や業務内容も教えてください。

塩原健人(以下、塩原): 私は2019年に中途入社で、前職ではIT系企業でシステムエンジニアとして働いていました。入社してからはそのバックグラウンドを活かし、主にIT戦略や業務改革に伴うシステム導入などに携わっています。

前職の4年間は設計から開発工程をメインに担当していました。上層部になればコンサルに近いこともするのですが、若手は基本、案件として決まったものを担当することが多かったです。自分で構想策定やビジネスを考える部分に携わりたくてコンサルタントを志しました。

実は弊社には部署がありません。そのため、インダストリーやソリューションのカットがなく、案件によってかなり幅広い業種を経験できています。直近は保険系のクライアントですけれど、前は製造業、その前は通信業、と多種多様ですね。

今まさに担当している案件は、企業のDX周りの人材育成です。具体的には、「数年後に世の中の技術がこう発展したら、会社としてこうあるべきじゃないか」と先を見据え、必要な研修や環境の策定支援をさせていただいています。

塩原健人
株式会社ライズ・コンサルティング・グループ マネージャー
さまざまな業種のクライアントを担当し、基盤刷新プロジェクトPMO支援やRPAプロジェクト導入・開発支援、BPOを含む業務改革推進などを行う。2019年にシニアコンサルタントとして中途入社し、2020年にはマネージャーに。日本ディープラーニング協会(JDLA)のG検定、E資格保有者。

内田:私は新卒からずっとコンサルティング業界です。新卒のときは外資系ファームでITコンサルティングを中心にやってきて、その後創業期の弊社に入社し、5年くらい戦略系の案件を中心に経験してきました。その後さらに別の外資系ファームに移りまして、そちらでも戦略系の案件を担当しました。そして、今年の4月から再びライズ・コンサルティングにジョインした、というキャリアになります。

現在は役員とパートナーという役職なので、営業半分デリバリー半分でやっています。営業では、新規のクライアントへのアプローチはもちろん、既存のクライアントの案件から開拓ということもしています。

デリバリーでは、複数案件のプロジェクトリーダーとして入って、案件の品質管理や、課題管理、進捗管理といった全体管理を担当しています。

――さきほど「スコープレス」というお話がありました。実際、クライアントとどのような関わり方を心がけていますか?

内田:大手企業に見られる傾向なのですが、長年そこで働かれていると「これは効率がよくないのではないか?」といった、批判精神みたいなものがどうしても薄れてくるものです。我々はコンサルとして初心を忘れず、「それって当たり前じゃないですよ、こうしたほうがいいですよ」と切り込みながら推進しています。

また「直すべき所はしっかり直し、効率よく進めるところはしっかり効率よく進めましょう」と発信するだけでは、コンサルという「立場」からの物言いでしかなくなってしまいます。クライアントと自分が同じチームであると認識し、クライアントのルールもしっかり吸収しながら、うまく目的意識を合わせていくことを意識してやっていますね。

塩原:関わり方には二段階のプロセスがあると思っていて、まずはいかに信頼を獲得できるかです。「外部の人間だからこそ」言えることとやれることに取り組みつつも、いきなりプロジェクトに入ってきた「外部のコンサル」とならないよう、各クライアントの文化や考え方を尊重し、経営上の課題を自分事として捉えるように心がけています。

第二段階として、ある程度信頼を獲得できたら、常に「期待のハードルを越えていく」ためのアウトプットを心掛けています。

知名度が高くないからこそ、自分自身の仕事を評価してもらえる

――ライズ・コンサルティングでの「働きがい」を教えてください。とくに塩原さんは異業種からの転職ですが……。

塩原:少しありきたりではありますが、クライアントから直接お礼を言っていただけたり、喜んでいただけたりするのが一番大きいかなと思っています。前職では、クライアントに会う機会も年に数回程度でしたが、ライズに入社してからはほぼ毎日顔を合わせているので、課題が解決できた時や、上層部向けの報告が無事に済んだ時にお礼を言われると、達成感やうれしい思いがあります。前職にいたら、恐らくあと数年は待たないと経験できないことではないかと思っています。

――内田さんは、コンサルティング業界でキャリアを重ねてきています。ライズ・コンサルティングだからこそ得られるものは何でしょうか。

内田:新卒で入った外資コンサルとは人数規模が二桁は違うので、一人ひとりに与えられる裁量が全く違っていますね。ライズではとくに、若手が大きな裁量を与えられて自分自身で成し遂げる機会がすごく多い。その点でやりがいを感じています。

あと塩原の話と近いのですが、「ライズ・コンサルティング・グループ」はまだ知名度がそれほど高くない。ポジティブに考えると「看板」に守られていない分、コンサル個人の質をすごく問われます。クライアントからも個人として評価をされるので、いい成果を出せれば個人として信頼をしてもらえます。そこから次の案件を紹介していただくこともありますし、クライアントとのつながりが強固になるんです。

塩原:前職では、クライアントと打ち合わせするときに会社名で呼ばれることもありました。でも、ライズに入ってからは「塩原さん」と個人の名前で呼ばれるというのが、良い意味で看板だけではなく、「人」を見てもらえていると感じますね。

いい意味で「看板」が強くないからこそ「個」が評価される。「個」の評価の積み重ねが、ライズ・コンサルティングの成長を加速させている。

――ライズ・コンサルティングには、若手が発言しやすく、風通しの良い環境があるように感じます。

内田:創業数年後には社員が20人や30人ほどだったので、経営陣にも意見が言えるフラットな環境でした。120人規模になっても、そういうフラットな環境は社風として根付いているので、職位によって意見が言いづらいと言うのも全くないです。

塩原:役員クラス、取締役クラスと直接会話して、意見を言うこともごく普通にありますしね。

内田:極端に言えば、役員と新卒一年目の社員がペアになって案件を推進するパターンもあります。

塩原:普段やっているプロジェクトとは別に、社内に「重点施策」というのがあります。海外拠点やIPO、M&A、中途施策など、様々あるのですが、関わりたい場合は手を挙げれば「いいよ、やってみなよ」となる。そういう意味でも、若手にとってすごく風通しが良いと考えています。

私自身もNewTechチーム内での人材育成の提案を承認され、さっそくこの10月から取り組んでいます。新卒で弊社に入ったメンバーは、当然ながらIT系の開発経験がない。それでも業務として、ITの戦略案件やPMO案件を回していかなければならないので、「ITシステム開発に携わる人はどうやってものを考えているか」という知見を社員に普及させたいと考えていました。そういった提案に対しても「いいよ、やってみなよ」と言ってもらえる環境はありがたいですね。

――ライズ・コンサルティングらしさを表すビジョンや理念はありますか?

内田:「Produce Next」というビジョンを掲げています。日本の再生のため、クライアントとともに次の未来の創造に貢献し続けようという理念です。

あとは社訓が3つあり、「プロフェッショナリズム」「チームワーク」「スピード」。これもほとんど全ての社員が頭のなかに入っていますね。

塩原:まず「プロフェッショナリズム」ですが、例えば弊社は社員のランクによってクライアントからいただくフィーが決まっています。そのため、「我々の働きはそのフィーに見合うアウトプットなのか?」という良い意味でのプレッシャーは常にありますし、自分でも「今日一日のアウトプットは単価に見合うクオリティーなのか」と考えますね。

あとは「スピード」という意味だと、基本的に常駐型なので、その場その場で解決していくというスタンスは染みついていますし、それを求められることも多いです。

内田:もうひとつの「チームワーク」というところでも、ライズ・コンサルティングとして加わるというより、「クライアントも合わせてひとつのチーム」というかたちでプロジェクトを推進する意識があるなと思っています。

今のプロジェクトでも、クライアントの社員に近しい立場で動いているようなところがあります。そのなかでもコンサルとしての視点を持ちつつ、業務をスピーディーに進めていくような動き方をしています。そういう意味でも、社訓の3つは、プロジェクトに取り組むうえで、かなり意識している実感はありますね。

「プロフェッショナリズム」「チームワーク」「スピード」。クライアントとひとつのチームをつくる上で、コンサルタントとして役割を果たすための軸となる考え方であり姿勢だ。

――なにか、ユニークな制度があれば教えてください。

内田:評価制度がユニークだと思います。「絶対評価で、定量的で、客観的」。まずは大きくデリバリーでの貢献、会社にどれくらいの利益をもたらしたかです。あと採用での貢献、何人の採用に貢献したか。そして営業ですね。役職ごとにランクがあって、ランクの基準は数値で明確に決まっています。

――一定の数字を出せば絶対にランクが上がり、それに応じた役職になる。

内田:そうです。それに応じて昇格昇給が決まるので「なぜあのメンバーが上がって、自分が上がらないんだ」ということは一切ありません。また「上がつまってるから昇格できない」というのもなく、個々人の成績とスキルに応じて昇格があるというのは、けっこうユニークじゃないかなと思っています。

もうひとつユニークなところでいうと、コンサルタントでありながら社内の重要施策を兼ねるんです。採用計画を立てるのもコンサルタントで全部行っていますし、IPOの準備もコンサルワークの手が空いたメンバーが進めています。先ほどの塩原みたいに、社内の人材育成というところも全部コンサルタントがやっています。そういう意味で、プロジェクトワークだけじゃない幅広い経験ができます。

「ライズ・コンサルティングのカルチャーは創業期からあまり変わっていない」と内田。社員が120人規模となった今でも、全社員が自分のやりたいことをしっかり持って意欲的に働いている。社員をサポートする環境も整い、創業期に比べて離職率も格段に下がったと言う。

待ち受けるパラダイムシフトに向け、新しい世界観の提案を

――おふたりは現在30代前半ですが、今後ライズ・コンサルティングで実現したいことはありますか。

内田:私の場合、今は会社を大きくしたいという思いが強いです。2〜3年後に控えたIPOに向けて、社員数を積極的に増やしていきたく思っておりますし、そのためには案件の幅も広くしていかなければいけません。自分自身の役割として、もっとソリューションを立ち上げて、社員に対して面白い案件を提供してあげたいと思っていますね。

塩原:私は短期的には2つあって、1つは先ほど言った人材育成。もう1つは営業ができるようになりたいなと思っています。今までは上が取ってきてくれた案件に入ることが多かったのですが、クライアントの信頼を勝ち取りつつ、仕事も獲得できるようになりたいと思っています。

また、中長期的には、5年後ぐらいにエンジニアとコンサルのスキルを組合せて、CTO的な働き方をしたいです。弊社はIT企業ではないのでツールや製品がなく、肩書きとしてのCTOにはなれないかもしれません。ですが、働き方や世間への関わり方としては、IT戦略とか技術選定といった部分を支援できたらと思います。

内田:その立場の人、会社として絶対に必要だと思っているので、ぜひなってください!

塩原:では、「CTOになる!」と宣言をしておきますね(笑)。

ベンチャー的な風土は今も残る、ライズ・コンサルティング。コロナ禍によりオンラインに移行したが、2か月に1回の経営会議は全社員が参加している。経営会議後のオンライン飲み会ではブレイキングルームを使用するなど、役職を越えた交流を大切にしている。

内田:すこし先のビジョンの話になりますが、AIやIoTもそうですけれど、5Gとか自動運転といった新しい技術がこれから普及することで、直近5年ほどのタイミングでどんどんパラダイムシフトが起きていくと思っています。それに対して我々も知見を蓄えて、そういった技術が普及した社会を実現できる手助けをしていきたい。それは会社としてもそうですし、私個人としてもぜひやりたいことですね。

  • TEXT BY いつか床子
  • PHOTOS BY 高木亜麗
  • EDIT BY 山本莉会(プレスラボ)
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