R&Dを重ね続ける「やってみようかイズム」。フィンテック領域で金融系業務システムのリーダーを目指す

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「尖ったことをやっていきたい」。そう語るのは、2020年4月に株式会社FPGの連結子会社として新たなスタートを切った、株式会社FPGテクノロジーのコアメンバーとなる3名の事業部長だ。元独立系の強みをそのまま残し、グループシナジーを活かして、フィンテック領域での業務拡大を目指す同社のこれから。


社内に通底する「やってみようかイズム」

金融系業務システムを中心としたWebシステムの受託開発を手がけ、AIなどの先進技術を取り入れたチャットボットサービスも積極展開する、株式会社FPGテクノロジー。フィンテック領域に強みがあり、最先端のIT技術を持った経験豊富なエンジニアが多数在籍する同社の設立は古く、2004年に株式会社ケンファーストとしてスタートした。

2020年4月、リースアレンジメント事業を主軸とする東証一部上場企業、株式会社FPGの連結子会社として新たなスタートを切った。FPGテクノロジーにいま求められているのは、グループブランド力の活用、そしてグループ間のシナジーを創出し、テック企業として価値を向上させることだ。

今回、「常に新しいことにチャレンジする」姿勢を大事にしてきたFPGテクノロジーの中核を担う事業部長の3名に、これから目指す未来像について話をうかがう。インタビューは、アットホームな社風そのままに和やかな雰囲気で進んだ。

――FPGテクノロジーという新しい組織になり、従来持っていた強みは活かししつつ、ビジョンを新たにする時期なのではないかと思います。まず、3つの事業部の役割、それぞれが考える「FPGテクノロジーらしさ」を教えて下さい。では、まずは佐久間さんが率いるSI事業部から。

SI事業部長・佐久間直(以下、佐久間):お客様から開発案件を受託し自社に持ち帰り、お客様の要求から運用まで、一気通貫で実行・推進する部署ですね。また、2年前から自社開発のITサービスをサブスクリプションにて展開を開始し、ITサービスの提供による収益化……人月工数での収益ではなく、構築したサービスの利用料による収益化、それを実現しました。自分たちで目的やニーズを捉え、創造し実行する、そんな部署の統括をしています。

SI事業部長・佐久間直

――小田さんが率いるSES事業部はどのような部署ですか?

SES事業部長・小田卓(以下小田):SES事業部は、クライアント先への常駐型エンジニアリングで、いわゆるWeb系やオープン系と言われるシステム開発を行う事業部です。現在は30人弱が所属しています。3年ほど前、私が次のステップアップとして転職を検討していた際、仕事上の付き合いがあった代表の成川から声をかけられて入社しました。

かつて在籍していた会社は、M&Aや事業統合などを繰り返し、最後はただの派遣会社になってしまった……自分はそうした派遣ビジネスに興味はありませんでした。当時も今も、FPGテクノロジーは新しい可能性を常に模索していますし、何より会社の雰囲気が良かったんですよね。特に上下関係なく意見が言える環境があり、どんな立場でも意見を発信でき、それが全部上に届く、そういう社風がありますね。

営業方針として、DX分野などの先端技術案件への積極参入を目標の一つとして掲げており、そういった点でもエンジニアにとって、魅力的な要素になると思います。

SES事業部長・小田卓

インフラ事業部長・久保田正人(以下、久保田):一般的な会社の場合、同じ会社でも部門ごとに閉じられていて、連携が遅かったりすることが往々にしてありますが、当社においてはそういうことはないですね。

佐久間:むしろ、代表からぐっと寄ってきてくれるんですよ(笑)。代表の成川はITエンジニア、コンサル、営業、経営と経験しているので、どの目線からも話すことができるんです。それが意見の通しやすさというか、「風通しが良い」ということにつながるんだと思います。

私も小田と同様に、代表の成川が入社のきっかけです。前職のプロジェクトで一緒になって意気投合しました。初期メンバーとして入社できるタイミングだったのと、ベンチャーなので「自分がやりたいこと」が実現できるんじゃないか、という可能性に惹かれました。

――では、久保田さんが率いるインフラ事業部は?

久保田:インフラ事業部は、一般的なプロジェクトにおけるインフラ業務とは異なり、日本の自動車産業を支える大規模ネットワークの構築・運用保守や、個社用のプロバイダーの構築・運用保守(インターネットに関わるインフラ業務全般)など、特有のプロジェクトを運営しています。もちろん、親会社であるFPG社のITインフラ業務にも携わっております。

現在12名と少数精鋭ですが、今後のさらなる業務拡大に備え、陣容拡大を図っていきます。特有のスキルを保有しているメンバーを主軸に、新規顧客の開拓、既存顧客の深耕を図っていきます。

また、弊社にはSI事業部などで展開している、ITサービスによる収益モデルがあります。インフラ業務においても、このITサービスのシナジー展開による収益化を実現させ、人月工数ではなく、サブスクリプションによる収益化を推進していきます。インフラ業務関連ではつきものの監視関連の業務に関しては、サービス化のPoC段階まで来ており、近い将来、質の高い無人監視サービスの提供を実施予定です。

――FPGテクノロジーで展開されているチャットボットサービスも、目下注力している自社開発サービスですよね。Webサイトの訪問者が知りたいことに対して、次世代型AIが自動的に答えてくれる。今後、さまざまなビジネスシーンで必要とされそうですね。

佐久間:はい、さまざまなシーンで利用されると思います。ただ、一般的にチャットボットはコールセンター業務の補完的なサービスとして捉えられているところがあります。当社のチャットボットは、多様なシーンで活用可能なサービスですが、当社はシステム開発会社なので広く訴求する力が弱かった。今回、FPGグループになったことでブランディング、また多くの取引先へのアプローチなど、訴求力がぐっと上がったと考えています。また、ベンチャーだと自社サービス開発に投資することにリスクがあるんですが、グループ参入できたことで、深く踏み込めるチャンスが増えたと感じています。

実はチャットボットは、若い開発者からのアイデアなんです。チャットボット、IoT、DXなど、いろいろなキーワードがバズワードのように飛び交っていた時期がありましたが、実際に踏み入れていく企業はあまり多くありませんでした。特にSIerなどのIT企業が踏み入れていく確率は低いと想定しました。当社は、そこの隙間にビジネスの商機があると考え参入しました。そこで一歩踏み込んだことで、人月工数での収益からITサービスの利用料による収益へと切り替えることができました。

FPGグループになったことで、自社サービス開発に深く踏み込めるチャンスが増した。独立系の強みをそのまま残してながら、フィンテック領域での業務拡大に意欲的だ。

「普段からR&Dには力を入れているんです。チャットボットもその一つでした。もちろんカタチにならないものもかなりあるんですが……(笑)」と佐久間は語る。FPGテクノロジーでは、常にR&Dを繰り返してきた。そうした活動が結果的に評価につながり、チャットボットのサブスクリプションサービスが実現したという。

佐久間:これからは、元独立系の強みをそのまま残し、その強み+グループシナジーを活かして、フィンテック領域での業務拡大を目指します。私たちは、長期に渡り金融関連のIT開発に携わってきました。このノウハウを生かし、まだ世の中にない、新たな金融商材を創り出したいということです。金融のデジタル化、スマート化といったところに注力していきます。

――チャットボットといい、フィンテックといい、表には見えてこない積み重ねを辛抱強くやられている印象を受けます。ある種の先見性みたいなものは、FPGテクノロジーのカルチャーのようなものなのでしょうか?

久保田:小規模の会社なので、社内の繋がりが強いということだと思います。「メンバーの間でこういうアイデアが出ている」というような報告が直接来るので、そのまま飲みに行って話を聞いてみると、「もっとこういうことできるはず、もっとこういうことをやってみたい!」という強い思いを持っていたりするんですね。小さな燻りをそのままにしておかず、いかにモチベーションにつなげていけるかが、マネージャーの仕事ですよね。

インフラ事業部長・久保田正人

佐久間:「やってみようかイズム」みたいな社風はありますよね(笑)。自分のアイデアを形にできてそれが成功したら、すごくモチベーションが上がりますし、達成感はひとしおです。

小田:R&Dや難易度の高い案件などで、一つひとつトライアンドエラーして、みんなで筋力を蓄えているので、数字に表れている以上の強さを持っている会社だというのは間違いないと思います。

佐久間:やっぱり、高い技術力を持っている先輩がいるから、若いメンバーもそれを目指そうとする姿はありますね。それにどうにか近づいてやろうという気持ちから、技術を学ぼうという姿勢につながるのかもしれません。

お客様の声を直に汲み取りカタチにする

――FPGテクノロジーは「SI事業部」、「SES事業部」、「インフラ事業部」の3部門に別れていますが、共通したビジョンのようなものはありますか?

佐久間:私たちは「顧客第一主義」という理念で仕事に取り組んでいます。お客様が描いているビジョンにどれだけ近づけていけるか。それが結果として繋がってくれれば、お客様も私たちも満足を得られますし、社会へのIT貢献へとつながっていくと思っています。

――クライアントの目指しているビジョンに対して、それが提供できていること喜びになると。

佐久間:そうですね。私たちは、お客様の「こういうことをしたい」という実現要求に向き合うので、ある種コンサルに近い面もあります。システムを提供した後に、どれだけその要望に近づけているのかを定期的に話をうかがって改善しています。

「顧客第一主義」、それを口にするだけなら簡単だ。顧客の本音の声が聞ける環境だからこそ、情報をきちんとキャッチアップすることこそが大事だと口をそろえて語る。

――常駐もされているので、お客様との距離が近いと思うのですが、ニーズの汲み取り方はどのように意識をされていますか?

久保田:私も3月まではお客様先に常駐していました。元々、一人で参画したところからはじまり、現在では8名まで増員しています。常駐先にいて嬉しいのは、お客様の生の声が聞こえることですね。「これがしたい」という、お客様の本音の声が聞こえてくるので、それに対して「じゃあ、こうしましょう」と即提案できる。情報をきちんとキャッチアップすることが信頼関係を得るには大事ですよね。お客様が本当に直したい、変えていきたいというポイントをすぐ汲み取れるのは、常駐先で仕事をする良いところかなと。

――そうしたナレッジは自社の中にどのように蓄積されているんですか?

小田:弊社ではリーダーが集まって、定例会で状況を共有するミーティングを定期的に開いています。最終的には、みんなが同じ目標に向かっていけるような仕組みを作りたいんです。社員みんなが同じスピードで目標に向かっていけるような環境を提供していくのが、私たちのミッションの一つだと考えています。

尖ったことがやりたい人と一緒に歩んでいきたい

――最後に、FPGテクノロジーという新たな会社となり、さらに事業を成長させていこうというタイミングにジョインするときに、どんな考え方をコアとして持っていたほうがいいでしょうか?

佐久間:日進月歩で新しい技術が出てきますが、まずはこれらに興味を持つことですね。自ら情報収集と新しいスキルを獲得する姿勢は必要ですが、自分たちが関わってきたサービスへどうやって応用できるか考えるのは楽しいですよね。難しそうだな……とか、大変そうだな……と臆するのではなく、新しいことを楽しむ、これが重要だと思います。

久保田:インフラ事業部はまだ設立2年目なので、自分から率先して能動的に動ける人であれば活躍できる場だということは言いたいです。パブリッククラウドAWSとか、GCPもそうですけど、新しいインフラ周りの人材って足りていないんです。その方面も伸ばしたいと考えています。さらに自社インフラのサービス開発も、いまよりも迅速に推進したい……だから、チャレンジする姿勢のある人には、成長する「場」があります。

3人の共通した思いは「尖ったことがやっていきたい」。目指すはフィンテック領域での金融系業務システムのリーダー

小田:外部の常駐先は案件規模の桁が違って、すごく幅広い技術領域を求められるんですよ。そういうところで得られる経験は大きいし、そこで培った技術力をぜひ自社の開発でも活かしてほしいですね。

佐久間:そうですね。フィンテック領域で金融系業務システムのリーダーを目指すために尖ったことがやりたい人と一緒に歩んでいきたいですね。

  • TEXT BY 齋藤あきこ
  • PHOTOS BY 黒羽政士
  • EDIT BY 瀬尾陽(BNL)
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