アクセンチュアとマイクロソフトとのアライアンスでデジタル変革を支援。集積された知見を総動員した、増幅型のカルチャーが付加価値を創り出す

2019年2月、グローバルにソリューションの共同開発・導入を拡大すべく、アクセンチュア、マイクロソフト、アバナード(*)は3社協業でアクセンチュア マイクロソフト ビジネス グループ(以下、AMBG)を新設。連携によるシナジー効果を活かし、持続可能な価値創出を支援している。

コロナ禍以降、ビジネスの変化がより加速する中で、AMBGが目指す「価値創出」とは一体何か。マネジング・ディレクターの加藤誠、シニア・マネジャーの立山裕大と、ヤンイエティッチ・クリスティーナのインタビューを通じて、AMBGが提供する価値、そしてカルチャーに迫る。

(*)アクセンチュアとマイクロソフトの出資によって設立されたジョイントベンチャー。設立以来、Microsoftサービス導入支援のリーダー企業として、数千社にもおよぶ顧客のビジネス目標実現を支援している。


多様なバックグラウンドを持つ専門家たち

――まずは、皆さんのキャリアについて教えてください。

加藤誠(以下、加藤):2000年にアクセンチュアに入社して以来、通信・メディア・ハイテク領域のお客様に対して、SAPやOracleといった基幹システムの刷新を中心としたコンサルティングを行ってきました。

私がAMBGに異動したのは2020年12月。3年ほど前からAzure、Dynamics365、Power PlatformといったMicrosoftテクノロジーを用いたシステム刷新のプロジェクトを担当していたことがきっかけでMicrosoftテクノロジーに興味を持ち、今の組織に異動することになりました。

現在はマネジング・ディレクターとして、Dynamics365などのMicrosoftのERPやAzureを組み合わせて、お客様のシステムを刷新するプロジェクトをおもに担当しています。

加藤誠
アクセンチュア マイクロソフト ビジネス グループ マネジング・ディレクター。2000年アクセンチュアに新卒採用にて入社。通信・メディア・ハイテク業界向けにSAPやOracle EBSを用いたシステム企画・要件定義を行う。2017年より、Microsoftを用いたサービス提案に携わり、Azure、Dynamics365を用いたDX推進、全社システム刷新案件を担当。2020年にAMBGに異動、現在はマネジング・ディレクターとしてDynamics365をはじめとするMicrosoftサービスを用いたプロジェクトを牽引。

立山裕大(以下、立山):私は前職もシステム開発メインの会社に勤めていましたが、「より裁量の大きく、ビジネスに近い立場でシステムの活用法を検討したい」と思い、2004年にアクセンチュアに中途入社しました。転職してからはおもに製造・流通領域のお客様に向けた大規模SIプロジェクトの管理を担当。現在はタグによって貨物が確実に配送されているか確認するIoTのシステムをAzureのPaaS上に構築する物流企業様向けのプロジェクトにPMとして参画しています。

ヤンイエティッチ・クリスティーナ(以下、クリスティーナ):私はオーストラリア出身なのですが、高校時代に1年間日本に留学したことをきっかけに、日本の大学に入学しました。卒業後はSIerに新卒入社し、その後アメリカのソフトウェア企業の日本法人の立ち上げなどに参画しました。

2010年にマイクロソフトに転職し、そこでは6年ほどアライアンスマネージャーを経験しています。2020年8月からは、AMBGでMicrosoftテクノロジー案件の営業とプロジェクト支援を行なっています。

――アクセンチュアおよびAMBGの特徴や強みはどのようなところにありますか?

立山:アクセンチュアでは要件定義から設計、開発、テスト、運用まで一貫して担当できる案件がほとんどです。1社につき短くても2年、長いと5年ほど関わることになるので、お客様と長期的な関係性を築けることに入社当時は感動しました。

AMBGに異動してからは、マイクロソフト本社の協力を密に得られることに驚きました。アクセンチュアだけでは解決できない問題が発生したとしても、マイクロソフトが親身に相談に乗ってくるので心強い。AMBGはグローバルを含めるとかなり大きな組織なので、いざという時に頼れる人が多いのも魅力です。一人ではどうすることもできないときも、大勢の知恵を借りることで即解決できますし、より良い提案のヒントも得られます。

立山裕大
アクセンチュア マイクロソフト ビジネス グループ システムコンサルタント シニア・マネジャー。2000年、大学を卒業後、国内システム開発会社で、システム開発・インフラ構築を経験。2004年にアクセンチュア入社、製造・流通業界のお客様に対して、システム企画・RFP作成支援から要件定義~運用まで幅広く携わる。AMBGに異動後は、マイクロソフトのAzureサービスを利用したシステム構築プロジェクトのマネジメント業務に従事している。

クリスティーナ:立山が言う通り、私たちの声がマイクロソフト本社に届きます。普通、開発チームと直接つながることは難しいのですが、ここではダイレクトに開発チームが市場の声を吸い上げ、検証し、製品のアップデートにも活かしてくれます。

アクセンチュアに転職して印象的だったことが3つあります。ひとつが増幅型のカルチャーです。多くの企業でDXが求められている中で、一人ひとりが「どうお客様のビジネスを変革するのか」を考えながら、付加価値を提供している点が斬新でした。

もうひとつは、部署の垣根を越えてチームで連携することが当たり前の社風。特にAMBGでは部署をまたいだ連携がごく自然で、様々なバックグラウンドを持った人たちが協力しながらお客様に価値を提供しようとしている。あらゆる分野の専門家と連携することで、様々な業種について学ぶことができるのです。

最後はオンショアとオフショアを組み合わせた開発体制。AMBGは50,000人以上の規模の組織なので、ナレッジとリソースが豊富です。例えばアメリカの拠点での事例や情報を共有して、日本での提案に活かすこともできるので、あらゆる顧客の課題に対して最適な提案ができるのです。

加藤:AMBGでは外部からあらゆる専門家を採用しているので、様々なバックグラウンドを持つ社員が集まっています。インド、中国、フィリピンなど世界中の多様なスキルセットを持ったメンバーがコラボレーションして一つのプロジェクトに取り組むことができる環境も、当社の強みだと思います。

バリューを最大化する、マイクロフト、アバナードとのシナジー

――そもそもAMBGはどのような背景から設立されたのでしょうか?

加藤:アクセンチュアとマイクロソフトは、元々アバナードというジョイントベンチャーを立ち上げていて、Microsoftテクノロジーの活用や提案に積極的でした。これまで、Microsoft案件のデリバリーはアバナードの役割として切り分けていたのですが、近年のマイクロソフトテクノロジーに関するニーズの高まりを受けて、アクセンチュア、アバナード、マイクロソフトが相互の強みを連携し、更に「満足度の高いサービスをクライアントに提供する」ことを目的として、AMBGが設立されました。

立山:アバナードはもともとシステム開発に強みがある会社なのですが、もう少し上流からアクセンチュアとマイクロソフトのお客様の課題を吸い上げて、Azureベースで解決していくことが求められていたのだと思います。

クリスティーナ:アクセンチュアとマイクロソフトは、長年にわたるパートナーシップを構築しています。両社の強みを活かして組織化するのは、ごく自然な流れだったのだと思います。

ヤンイェティッチ・クリスティーナ
アクセンチュア マイクロソフト ビジネス グループ セールスコンサルタント シニア・マネジャー。新卒で日系Sierに入社し、UNIXのエンジニアとしてキャリアをスタート。その後、2010年にマイクロソフトにアライアンスマネージャーとして転職。Microsoftパートナーシップとしてのナレッジを活かして、2020年8月にアクセンチュアに経験者採用枠にて入社。現在は、Microsoftテクノロジー案件の営業とプロジェクト支援を行っている。

――これまでどのような顧客の課題を解決してきたのでしょうか?

加藤:私が担当してきた例でいうと、サイロ化した業務システムをAzure、Dynamicsに乗せかえて、固定費を下げたケースがあります。あるお客様のシステムの大半をMicrosoftテクノロジーに置き換えるプロジェクトだったのですが、特に基幹システムはAzure上にリビルドすることで大きな効果がありました。

よくある話ではあるのですが、担当したお客様の基幹システムでは古いメインフレームが動いていて、長年稼働しているが故に、仕様を正確に理解できる人がいない問題もありました。機器に対するメーカーサポートも切れていくので、何かあった際のリスクも大きい。今ご説明したプロジェクトは、コスト削減だけでなく、様々なリスク低減にもつながった好例です。

――コロナ以降、顧客ニーズに大きな変化があったと思います。具体的にどのような変化に対し、どのような提案をしているかについても伺えたらと思います。

加藤:やはりコロナ以降、リモートワークを導入する企業が増えていますので、Teamsのニーズは増えています。Teamsの導入に絡めて、組織横断の生産性分析(Workplace Analytics)の事例などもあります。Workplace AnalyticsはTeams、Microsoft 365を通じて蓄積されたデータをベースに、ハイパフォーマーの働き方を分析して、その働き方を伝播させていくような取り組みもあります。

また、DXにも関連して、IoTやデバイスからデータを取り込んで業務に活用していくデータ&AI分野のニーズも多いですね。例えば、配送時に温度管理が必要な品物が適切な温度で配送されていたかどうかをセンサーが自動で感知し、それを一元的に管理するような案件もAMBGでは行なっています。

これまで人が現場で直接確認しなければいけなかったデータもセンサーが自動取得して、Azure上で一元的に管理し、「配送されている商品は適切な温度で管理されているのか」といったことを遠隔で確認できるようになります。こうしたニーズは今後もさらに増えていくでしょう。

最高のメンバーと、最高のチームをつくり、最高の提案を

――加藤さんも立山さんもアクセンチュアでの在籍期間が長いですし、クリスティーナさんもマイクロソフト時代から長くこのお仕事をされています。みなさんのモチベーションの源泉を教えてください。

加藤:私が長年アクセンチュアで働き続ける理由は、年次が上がるにつれてやるべきこと、やりたいことが常に変わっていくからです。同じような案件は一つとしてありませんし、常に自分自身をアップデートすることが求められるので、飽きることがない。これからは若手メンバー向けに新しい案件に挑戦して、自らをアップデートできるような環境を提供できればと思っています。

クリスティーナ:AMBGではどんな難しい課題でも社内の誰かに相談すれば応えてくれるので、日々自分の知識がアップデートされていきます。自分が成長した結果、お客様により大きな付加価値を提供できるようになり、その成功体験が私のモチベーションになっています。

立山:私自身は3、4年ごとに自分のキャリアを見直すようにしていて、最初の会社からアクセンチュアに転職したのもちょうど社会人4年目のタイミングでした。正直、アクセンチュアに転職した当時は「3、4年したら卒業しよう」と考えていましたが、キャリアの節目ごとに「まだここで新しいことに挑戦できそうだ」と、やりたいことが必ず見えてきて、結果的に17年ここで働き続けてきました。

それこそコロナ以降は、国籍の違う、直接顔もみたこともないメンバーをマネジメントする機会が増え、英語を必死に勉強しましたし、Microsoft製品についても膨大な知識をインプットしました。どんなに社歴を重ねても必ず成長できる環境があることが、アクセンチュアで働く魅力だと思います。

常に自分自身をアップデートすることが求められる。自身が成長した結果、お客様により大きな付加価値を提供できるようになり、それが成功体験へとつながっていく。

――最後にアクセンチュア、特にAMBGだからこそ挑戦できることはありますか?

加藤:「前例がないこと」に挑戦できる、それに尽きると思います。「最先端の技術に触れたい」「新しいテーマに取り組みたい」という方には最適なフィールドだと思います。

私たちはテクノロジーに強みを持つ組織ですが、アクセンチュアにはビジネス コンサルティング、オペレーションズ コンサルティング、インタラクティブなど様々なグループがあり、組織を横断したコラボレーションで、お互いの知見を組み合わせながらお客様に新しい提案ができる。テクノロジーをコアにしながら、新しい仕事の進め方やスキルを習得したい方には非常にいい環境であることは間違いありません。

AMBGでは、Microsoftテクノロジーを軸としたサービスの提案を行っていますが、ここで活躍しているメンバーは必ずしもMicrosoft案件の経験があったわけではありません。日々の業務の中で必要な知識をキャッチアップすることが多いので、Microsoftに関する知識がない方も、成長意欲があり好奇心旺盛な方であればきっと活躍できると思います。

立山:やりたいことがあれば何でもできると思います。AMBGはMicrosoftテクノロジーに特化した組織ですが、アクセンチュア全体で見れば、システムの戦略から運用まで一貫して手がけていますし、扱う製品もSAPからOracleまで幅広い。どんな志向の方にも最適なポジションがある点がアクセンチュアの魅力です。

私自身も以前から英語を使った仕事に興味があったのですが、最近は中国、インドやフィリピンのスタッフと英語でコミュニケーションをとりながら仕事をする機会も増えてきました。アクセンチュアに入社して17年になりますが、いまでも自分がアップデートされている感覚があるので、成長意欲がある方には最適な環境と言えるでしょう。

クリスティーナ:アクセンチュアでは、最高のメンバーと最高のチームをつくって、最高の提案をお客様にできます。自分一人では解決できないことも、「誰かこの件について詳しい人はいませんか?」と全体へのチャットに投げるとすぐに回答があるんですよ。私のことを知らない人でも、「この件について教えてください」と相談するとすぐに30分程度のMicrosoft Teamsオンライン会議を設定してくれて、親身にアドバイスをしてくれます。求めれば周囲は必ず応えてくれる環境なので、前に進む気持ちがあれば遠慮せず周りを頼ってほしいと思います。

逆に自分からアイデアを出したり、周囲を巻き込んだり、相談したりしなければ、成長もできないので、指示を待つだけの人には向いていないかもしれませんが、チャレンジ精神旺盛な方には最高の環境だと思います。

最高のメンバーと最高のチームをつくって、最高の提案をお客様にする。「前例がないこと」に挑戦できることがアクセンチュアで働くことの醍醐味と言えるのかも知れない。
  • TEXT BY VALUE WORKS
  • PHOTOS BY 黒羽政士
  • EDIT BY 瀬尾陽(Eight Career Design)
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