「自分の市場価値を高めたい」。そのために飛び込んだ異業種の成長マーケット──彼女の4年後の現在地と30代の展望

1998年よりインターネットブログサービスやアバターサービスなどの展開を通じ、IT業界およびデジタルマーケティング領域を牽引してきた株式会社サイバーエージェント。国内トップシェアを誇るインターネット広告事業を根幹に、近年は動画配信事業「ABEMA」や各種ゲームコンテンツなどの事業に加え、DXやAIといった先端領域を軸とする法人課題解決にも力を注いでいる。

「21世紀を代表する会社を創る」のビジョン実現に向け、社員一丸となり仕事を“楽しむ”姿はまさにチーム・サイバーエージェント。活気ある会社でい続けられる理由は、年齢にとらわれず活躍できる土壌やカルチャーが挙げられる。今、サイバーエージェントにジョインする魅力や得られる経験について、インターネット広告事業部販促革命センター局長の長岡琴美に聞いた。


自身の市場価値を高めるために選んだ新天地

──はじめに、長岡さんのキャリアを教えてください。

2014年、大手人材系企業に新卒で入社しました。キャリア選択の軸となっていたのは、モノより人に関わりたいという思いです。法人営業に携わり、お客さまに貢献するやりがいを感じていましたが、3年のキャリアを経てより自身の提案の幅が広いフィールドに挑戦したいと感じ転職を考え始めました。

培った営業スキルを活かしつつ、自身のアイデアをより幅広くお客さまのために役立てたい。その希望を軸に、マーケティング領域やコンサルタントファームなどに視野を広げて転職活動していた際、サイバーエージェントに出会ったのです。

──転職先にサイバーエージェントを選んだ理由はなんでしょうか。

サイバーエージェントに惹かれた最大の理由は、成長するマーケットで戦っていること。また、年齢やキャリアに関係なく、努力した分チャンスがある環境にも魅力を感じました。すでにサイバーエージェントに転職していた知人の話も参考にしつつ、2018年、転職を決めました。

長岡琴美(ながおか・ことみ)
株式会社サイバーエージェント インターネット広告事業部 販促革命センター LINEリテール戦略局 局長。2014年に株式会社インテリジェンスへ入社。派遣事業部で法人営業を行う。2018年、株式会社サイバーエージェントへ入社し、販促革命センターでLINEを活用したデジタル販促に従事する。2019年マネージャーに昇格し、2021年からは局長として組織の事業戦略全体を担う。

──求人部署は、「販促革命センター」という新規部署でした。未経験の業種で、なおかつ立ち上げ間もない事業に携わる不安はありませんでしたか?

選択肢の中で、一番チャレンジングだとは感じていました。それでもサイバーエージェントを選んだ背景には、「20代のうちに自身の市場価値を圧倒的に高めたい」という目標があったからです。

もしも前職と似た会社の似たような部署へ転職したら、たしかに培ったスキルは活かせますが、成長できる幅は見えてしまっている。それよりもまっさらな状態でゼロからスタートできる環境に身を投じたほうが、最短かつ最速で成長できると考えました。

──入社後はどのような役割を担ったのですか。

入社後は一貫してインターネット広告事業部の販促革命センターに属しています。販促革命センターは企業のデジタル販促領域に特化した組織で、私はおもにLINEを活用した企業のマーケティング戦略の立案、コンサルティングを担っています。

入社当初はLINEの法人活用についての認知を広めるところから始める必要があったので、少数メンバーで新規顧客開拓の営業に励みました。そこから事業規模が拡大していく中で、お客さまのKPIに応じて組織内のチームを分け、私はおもにリテール業界を担当することになりました。LINEの多様な機能を組み合わせ、お客さまにとって最適なマーケティング案を立案しご提案、それによりお客さまの課題を解決することを目標に日々仕事に取り組んでいます。

2022年からは局長に就任。3年先5年先のマーケットから逆算し、事業戦略から採用・育成・組織作りまで1事業の責任者として事業運営しています。

今振り返るとこの3年半で本当にたくさんの機会を与えて頂いており、サイバーエージェントに飛び込んだ過去の自分の選択は間違っていなかったと確信しています。成長市場だからこそチャンスに恵まれた環境でしたし、組織内で“上”が詰まっていないことで多くの責任ある仕事に携わることができ、成長できたと実感しています。

優れた仕組みと任せる文化が成長を後押しする

──入社前と後でサイバーエージェントの印象は変わりましたか。

入社前は、“パリピ”のイメージがありました(笑)。サイバーエージェントと聞くと、若くて勢いがある印象が強いですよね。

でも実際は、真面目で真摯な組織です。お客さまの課題に対してどうすれば貢献できるのか、それぞれがプロフェッショナルとしての意識 をもって真剣に向き合っています。

たしかに服装や髪型の自由度が高かったり、年齢や役職を問わずあだ名で呼び合うようなフラットな文化があったりするので、一見ゆるく見られがちですが、入社後は表面上の印象だけでは語れない組織の魅力を感じました。

──なぜ、そのようないい意味でのギャップが生まれると思いますか。

一つは、採用基準が明確なことです。サイバーエージェントは、外見やキャリアに左右されない、一人ひとりの「人」の素質を見極めています。事業内容は時代の変化に応じて変わりゆくものなので、サイバーエージェントでは「何を任せても何にでもなれるような柔軟さ」や「適応力」をもった人材を求めています。その基準に応じた採用によって集ったメンバーが、サイバーエージェントの文化を作っているのだと思います。

二つめは、目標設計や評価制度の仕組みが整っていることです。半期に一度の査定面談と、それに紐付いた月一度の目標設計が組み込まれているので、自分のなりたい姿やミッションから逆算し、適したキャリアを歩むことができます。また、成果を表彰などの形で評価される機会もあるので、努力が報われる環境だと感じます。

それに加えて、メンバー全員が会社をどうしたいかフラットに議論する機会も多く、組織が常にブラッシュアップされている印象です。そういう採用基準や制度、施策が相まって、熱狂しつつも実直で、成果を生み出せる組織になっているのでしょう。

「サイバーエージェントは若くから活躍できる」、そのイメージ自体は間違っていない。しかし、 もっと正確に言うのならば、若くから真剣に 仕事に取り組むメンバーが集い、それぞれが活躍するための土壌を作り続けるのがサイバーエージェントの文化なのだ。

──サイバーエージェントの独自性や強みはどこにあるのでしょう。

サイバーエージェントには、本当の意味で「任せる」文化があります。その人がすでにできる仕事を任せるのは簡単ですが、「これを任せたら成長できるだろう」という将来性を軸にした仕事を任せてくれます。

例えば私は入社して3ヶ月で、億単位のコンペを任せてもらったことがあります。社内の営業マンと一緒に組んだのですが、提案内容は全て私が1から作成して。大変でしたが、あの経験のおかげで飛躍的に成長できたと感じます。大小問わず、あらゆるチャンスに誰もが手を挙げられる環境なので、早い段階から成長のために走り出せました。

私自身が局長になったことで、上層部の方々と話す機会が増え、改めてこうした文化を肌で感じます。一人ひとりの次に行きたい世界に合わせて、少しレベルが高いステージに挑戦させたり、いつもと違うミッションにも目を向けさせたりしてくれる。そういったところが、サイバーエージェントの最大の強みだと思います。

もちろん、少しレベルが高いステージに挑戦するときに、提案内容のクオリティ担保については マネージャーや局長がしっかりサポートします。ただし、自分自身がそういった立場の人たちを巻き込んで進めていくマインドも必要です。

コンペに勝ちたいけれど自分の力では及ばない、ならばより良くするために適切な人からフィードバックをもらって、より勝てる資料にしよう。そう考えて全力で挑むメンバーに対しては、周囲も同じく全力で協力し、アドバイスをくれる環境があります。

いつでも門扉が開かれているわけではない、2年ぶりの中途採用開始

──前職の経験が活きていると感じる場面はありますか。

対クライアントという観点では前職の営業経験と重なる部分もあるので、クライアントのニーズを把握し、それに対して解決策を見出す提案力が活かせていると思います。

また、人材系企業で学んだノウハウは、思わぬ形で役立ちました。現在は局長として販促革命センターに関わる採用全般も担っているので、採用面での数字やプロセスに理解が深くてよかったです。

──人材育成について、意識していることを教えてください。

サイバーエージェントの強みである、「任せる」姿勢が基本。任せる意義は、その人自身が成功体験を早くから積めることにあります。

例えば、生まれて初めてコンペに挑戦する場合、周囲の力をたくさん借りるため、たとえコンペに勝っても「挑戦した本人だけの功績」とは言い難いもの。それでも、周囲を巻き込み、勝つ資料を作り上げたことに価値があるのです。

人材育成の根幹には、そういった成功体験をなるべく早く実感してもらい、上昇気流に乗ってほしいという願いがあります。そのため本人の裁量は大きくしつつ、成功までの道のりは全力でサポートします。

サイバーエージェントの採用基準は「素直でいい人」。その軸に一貫性があるからこそ、会社全体の働きやすさにつながっている

──サイバーエージェントが中途採用を行うのは2年ぶりだそうですね。

サイバーエージェントの採用は短距離走型なので、今回のように中途採用に力を入れるぞ、というフェーズが過ぎたら、しばらくは採用をストップし、人材育成フェーズに移行すると思います。

これを読んでいる方が、今サイバーエージェントの事業に対しておもしろいと感じているならば、タイミングを逃さず飛び込んでほしいですね。

──中途採用で入社したメンバーに対するフォロー体制はありますか。

取り組みとして挙げられるのは、中途入社の方を対象とした中途入社式。現在はリモート形式ですが、中途でも新卒と同じく入社を一つの区切りとして感じられるようになっています。

また、会社をより良くするために若手から経営層へ意見を言える「あした会議」も設けられており、中途採用者でも入社後すぐに当事者意識をもって会社に関われる環境があると思います。

ファクトベースの提案で成果を可視化し、より広域の事業に挑戦する

──昨今の広告業界の変容について教えてください。

サイバーエージェントではかつてより広告効果を最大化することをミッションに掲げ、数字というファクトに基づいた戦略を実直にご提案し続けてきました。ダイレクト広告からブランド、販促、そしてDXと、時代のニーズに応じて横断的に事業を展開してきましたが、その中で感じる変化は、あらゆる領域で施策効果の可視化ニーズが進んでいることです。

かつてはグレーゾーンとして扱われていた領域、ブランドという抽象的な概念、可視化できなかった広告効果。そういったものが急速なデジタル化によりデータ化され、数字によってロジカルに語ることができるようになりつつあります。

だからこそ、多くの企業が施策の答えを求めているのが現在の市況感と言えます。店頭のポップや紙のチラシ配布など、今までなんとなく続けてきたことは、本当に効果があったのか。そんな疑問や不安を払拭する観点が求められています。

──まさに、時代がファクトベースの広告のあり方に追いついてきたようにも感じます。

サイバーエージェントの数字を根拠とする提案は、お客さまに貢献できると思います。それに加えて、これまでサイバーエージェントが自社開発しているAI技術などを駆使したアセットも、グレーゾーンを可視化するプロセスに役立つでしょう。

サイバーエージェントは現在、デジタルデータ活用の観点で、広告のみならず物流などの領域にも進出しています。インターネットとリアルを横断してデータを分析し、効果を可視化するソリューションの提案は、今後のサイバーエージェントの強みの一つになるかもしれません。昨今はNFTやメタバースなどのトレンドも生まれつつありますが、デジタルやバーチャルの利点を柔軟に活かしつつ、ファクトベースの課題解決をもたらす領域を増やしていきたいです。

「なんとなく」の広告は終焉を迎えている。サイバーエージェントが目指すのは、ファクトでクライアントに様々な価値を提供すること

──今後、長岡さん自身はどのような目標をもっていますか?

20代までは市場価値を高めることを目標にしていましたが、30代の目標は「真のリーダー」になることです。

本人の成長軸に応じたチャンスをくれるサイバーエージェントの文化を活かし、私は現在リーダーとして歩み始めています。今後は自分から事業成長を促進したり、マーケットを作り上げたりする推進力など、現在の役職や立場に見合ったスキルを身につけていきたいです。

今後サイバーエージェントが業界トップを走り続け、追いかけられる存在であり続けるためには、真のリーダーが社内に何人いるかが重要だと考えています。私もその一人であることが、今後の目標ですね。

──サイバーエージェントの展望について教えてください。

広告価値を最大化させるというミッション自体は変わりませんが、今後サイバーエージェントの競合は広告代理店だけではなくなっていくでしょう。マーケティングの定義を広げ、クライアントの事業課題に対してデジタルを主軸に、AIや先端技術を生かしたソリューションを提案する領域まで事業はスケールしています。これまでの広告業界のノウハウを活かしつつ、先端技術を取り入れて各業界に価値を提供していく存在として、今後もそのインパクトを大きくしていきたいです。

採用に関しては、一緒に働きたい人を採用するのは当然のことですが、採用プロセスにおいて互いがウィンウィンであることも大切だと思っています。フェアな視点で企業を比較してもらい、そのうえで自分が活躍できる場としてサイバーエージェントが最適だと判断できた方と一緒に組織を作っていきたいですね。

  • TEXT BY 宿木雪樹
  • PHOTOS BY 木村文平
  • EDIT BY 山本莉会(プレスラボ)