リテールマーケティングという天職を求めて――自分の「好き」を貫いた20代の転職ストーリー

2012年のサービス誕生から10年、Eightは、ビジネスパーソンのライフタイムに伴走するサービスとして歩み、現在はキャリアプロフィール 「Eight」として、「名刺管理に、転職に」とご活用頂いています。本連載では、Eightを通じてキャリアチェンジした方に匿名インタビューを実施。ビジネスパーソンの皆さまの、本音の転職ストーリーに迫ります。


――まず、O様のこれまでのご経歴、キャリアプロフィールをお聞きできますか?(2023年4月現在)

1社目で小売業界、コンビニエンスストア事業の企業に就職しました。その後、不動産関連のスタートアップに移り、3社目で現在のマーケティング支援企業に入りまして、今回の転職活動を経て、次が4社目、リテールテック企業に就職を予定しています。社会人歴としてはこの春で7年目になりました。

――一度目の転職活動、小売業界から不動産スタートアップに移られた際はなにか大きな心境の変化があったのかなと思うのですが、どういった動機だったのでしょうか。

そうですね。転職をしようと思ったきっかけは、1社目のキャリアアップのスピード感がゆるやかだったこともあり、希望する職種までなかなか辿り着けないと思ったことが大きな背景でした。本社で顧客データを元にしたマーケティング業務に携わりたいというのが入社時からのビジョンであり希望だったのですが、なかなかそこを叶えることができなかったので、「まずは営業職を経験し、マーケティング業務に移る」というふうにキャリアプランを再設計し、転職先を探しました。その頃は、世の中でもスタートアップへの出資活動が盛んな時期だったので、その中の一つである不動産関連のスタートアップ企業を選びました。

――なるほど、確かなプランニングのもとで転職に踏み出したんですね。

ただ、そのスタートアップが入社して3か月で実質的な倒産を迎えまして(笑)タイミング悪く、調達資金を使い果たした時期だったんです。

――ええ!当時の心境などは覚えてらっしゃいますか…?

実は、一周まわって面白くなってしまいました。コンビニ業界時代も衝撃的な経験が多かったほうですし、不動産スタートアップも日ごろから飛び込み営業などをおこなっていたので、メンタルがだいぶ鍛えられていたのだと思います。「仕方ないな、頑張るか!」とすぐに切り替えて前を向くことができました。

――コンビニ時代の衝撃的なご経験、気になります。なにか印象的だったエピソードはありますか?

担当エリアが少し治安が悪かったことも影響するのですが、お客様からのクレーム対応時にトラブルに発展したり、店舗の前で暴行事件が起こりメディア対応に追われたり…少し普通ではしないような経験をしていますね(笑)ちょっとしたことでは動じなくなりましたし、感情のコントロールが上手くなったような気がします。なにが起こっても、「あれに比べると大したことはない」と思えるようになりました。

――ハードなご経験ですが、心身ともに鍛えられたのかもしれませんね。1社目、2社目を経て、3社目はマーケティング支援企業での営業職ですね。

はい、もともとの「マーケティング業務に携わりたい、それと同時に営業職の経験も積みたい」という希望を適えた形になります。様々な企業のプロモーション活動の支援、提案を通して、大好きなマーケティング活動に携わることができました。直近のプロジェクトでは、クライアントと喧嘩のような議論をしたりもしたのですが、結果としてネット上での評判も上々で、実際に盛り上がっている現場に足を運んでクライアントと喜びを分かち合うことができたのは、すごく嬉しかったです。「この瞬間が働く意義だな」と実感しました。

――素敵な経験ですね。そこから、次の企業への転職を考えるようになったきっかけはなんだったのでしょうか?

やはり小売業が好きで、1社目に入社した際の当初ビジョンである「顧客データを活用したマーケティング事業」に携われる機会をずっと探っていました。ただ、小売業の間口は実はそんなに広くないので半ば諦めていたところ、Eightのエージェントとの面談でどんぴしゃの企業を紹介いただいたんです。

――実際に面接に進む前からピンと来たんですか?

はい、会社概要を見てピンときて思わず「やった!」と思いました。採用が進んでいくと、現場の方ともフィーリングが合いましたし、面接時に困ったことはエージェントの方に上手くサポート頂き、今回ご縁あって入社という形になりました。

――ご満足いただけるご転職をサポートでき、こちらも大変嬉しいです。ここから少しEightのお話を訊きたいのですが、今回の転職活動時はほかのサービスも活用されていましたか?

はい、これまでも転職していることもありある程度慣れていたので、大手サービスを中心に5つほどサービスに登録し、興味のある企業・求人を軸に複数社に絞って活動をおこない、結果的にEightでご縁を結んでいただきました。

――ありがとうございます。転職サービスとしてEightの良かった点、悪かった点はありますか?

他社と違う利点としては、普段はEightを名刺管理目的で利用しており、そのビジネスマインドの延長線上で求人情報をキャッチできるので、自然な形で情報が入ってきて良かったです。また、あまり大きな声では言えませんが、企業への連絡などは日中返したいタイミングもあったのですが、他のサービスと違いEightの場合は業務中にアプリを開いていても全く不自然ではないので、周囲の目を気にすることなく転職活動をおこなえた、というのも有難い点でした。

――確かに、他の転職サービスだとページを開いている時点で少しそわそわしてしまうかもしれませんね(笑)有難いフィードバックを頂きありがとうございます。

悪かった点は特に思いつかないです。エージェントは、企業としての良し悪しというより、個人の能力や相性が大事だと思っているのですが、今回は担当の方の人柄や、こちらの希望への汲み取り力に惹かれたというのも、Eightを活用して良かった点です。こちらの話をしっかり聞いて、ぴったりと寄り添ったご提案をしていただけたと思っています。

――そう仰って頂けてこちらも嬉しいです!少し話は変わりますが、O様の働く軸についてもお聞きしたいです。例えば、「これがあるから仕事を頑張れる」といった趣味はありますか?

少し気持ち悪いかもしれないんですが、私は本当に百貨店やスーパーなどの小売店舗が大好きで。下手したら2時間ぐらい店舗に滞在していることもあります。商品の陳列を見て、季節の変わり目やトレンドを感じたり、店舗を歩きながら頭を巡らすのがなによりも楽しいんです。普段仕事をしていてストレスが溜まっても「この仕事を切り上げて帰りにデパ地下で散在するぞ!」で仕事を乗り切れたりします。

――趣味と仕事が本当に直結されてるんですね。それは学生時代から変わらずですか?

そうなんです。ルーツを考えると、元々は母が凄く情報感度の高いコスメオタクで。今みたいに韓国コスメがトレンドで手に入れやすい訳ではない時代から、自分で取り寄せたクッションファンデを使っていたりして、それを見ているうちに自然と「なんでこれが流行るんだろう?」と考える癖がついたのだと思っています。

――実際に店舗を見る以外に、ネットなどでもトレンドキャッチをしたり?

大好きです。Googleで検索ワードアラートをかけて新着情報が通知される機能があるのですが、製品名や雑誌名でアラートをかけたり、あとはTiktokを凄くよく見ています。今のトレンドをしっかりキャッチしようと意識しています。とにかく自分は頑固な人間で、好きなものも変わらないので、「この好きを仕事にするために自分に必要なものはなんだろう?」と考えて、それに近づける努力をするようにしています。

――今日お話を訊いていても、想いが凄く一貫していて、自分の好き嫌いや必要なものをよく分かっているんだなと感じました。今後、O様のなかで適えたい展望ややりたいことはありますか?

実は、会社員としてはマネージャーを目指すのかプレーヤーとしての能力を伸ばすのか、まだこれから考えていきたいと考えています。ただ、小売もマーケティングも本当に好きですし、自分のやりたいことと今できることを組み合わせてどれだけ成長できるんだろう、と今は夢見ています。入社はこれからですが、自分も実際に勤めていた小売業の中の課題をデータを活用してDXで解決していく、という業務内容にもとてもワクワクしています。

――最後に、この記事を読んでいる読者、特にO様と同じく20代で、転職に悩んでいるユーザーに向けてメッセージをいただけますか。

自分の後輩によく言うアドバイスなのですが、「仕事面だけで転職軸を考えないほうが良い」とは思っています。人生全体を俯瞰で考えて、その中で自分にとって大事なものを明確化して軸にするべきだなと。たとえば、家族がなにより大事なのであれば「家族を優先できる仕事、企業ってなんなのか?」と考えて戦略的に転職活動をしたほうが良いですよね。「仕事」という一点のみにフォーカスしすぎると視野が狭くなってしまうので、自分に正直に、叶えたい希望を素直にエージェントの方に伝えて、自分の人生に向き合っていただければと思います。

――本日はお話をお訊かせ頂き本当にありがとうございました。とにかくO様の意志の強さと目標への推進力を感じたインタビューでした。今後もO様のキャリアにEightが伴走できればと思っています。

企画・インタビュー・執筆:小田川 菜津子(Eight)

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