循環型社会を本気で実現するため、営業と開発の両輪でLIMEXから新たな価値を生み出す

プラスチックや紙の代替素材である、石灰石を主原料とした「LIMEX」。環境負荷を低減し、持続可能な社会へ向けた動きの一端を担う存在として、注目を集める存在となっている。

そんなLIMEXを開発・製造・販売するのが、株式会社TBM(以下、TBM)だ。

大手化学メーカーとしてではなく、ベンチャー企業だからこそ可能となる、価値の生み出し方について。2021年に入社した営業職・坂上訓康、玉嶋健二と、開発職・土肥彰人、そして、営業職を取りまとめる営業副本部長・近藤一則ら、4名の座談会から、掘り下げていく。


同じビジョンのもとに、「プロ」として集う

――最初に、みなさんがTBMへ入社された背景からうかがいます。

近藤一則(以下、近藤):今日集まったメンバーは皆、大手メーカーから転職してきました。私が2020年、坂上、玉嶋、土肥の3人は2021年の入社です。2021年入社メンバーの中でいうと、坂上さんが最初でしょうか。

坂上訓康(以下、坂上):そうですね。2021年の1月に入社しました。私はTBMの掲げる「過去を活かして未来を創る。100年後でも持続可能な循環型イノベーション。」というビジョンに惹かれたのが、転職のきっかけです。環境問題は世の中でも注目されているトピックですし、多くの企業が意識しているはず。しかし明確に、ビジョンの中で第一義に掲げている企業というのは多くありません。「LIMEX」を強い武器としながら、100年後の未来まで大きな絵を描こうとしているTBMの存在を知り、自分もその一員になりたいと考えました。

坂上訓康
2021年1月中途入社。前職では株式会社カネカでの樹脂製品の研究開発や海外での新規市場開発営業に従事。循環型社会への貢献を掲げるTBMへ魅力を感じ、転職。現在は営業職として新規用途開発営業を担当。

玉嶋健二(以下、玉嶋):100年後の未来を考えて……という視点では、私も近い考えです。私の場合は、自分の子どものことを考えながら、「彼に誇れる仕事をしていきたい」と感じたのが最初でした。子どもに誇れる仕事とはなんだろうと考えたとき、彼が大人になる頃に、あるいは彼の子どもの世代にとっても、よりよい社会をつくっていくことなのだと思ったのです。そのために、いまある地球より、もっといい地球のことを考えていきたい。そうして行き着いたのがTBMでの仕事でした。

近藤:坂上さんと玉嶋さんのふたりは、TBMのビジョンや考え方に共感して入社を決めたんですね。開発職の土肥さんはどうでしょうか?

土肥彰人(以下、土肥):私の場合、TBMの掲げる企業理念に共感したこともそうですが、開発者としての視点として、組織における研究開発職のあり方や商品情報の伝え方も重視していたと思います。前職では、いいモノをつくったからといって、必ずしも売れるわけではないことの難しさを痛感していました。営業職と研究開発職の連携がうまく行かず、商品の魅力がお客様へ上手く伝わらなかったり、モノとしてはいいのに、広告宣伝をしないが故にまったく知られていないままになってしまったり。

そういった課題感を解消できる環境での、モノづくりがしてみたいと考えていたのです。そこで知ったのが、TBM。営業職と研究開発職の連携を重視している点が非常に魅力的でしたし、コーポレート・コミュニケーション本部と連携した製品のP Rや企業のブランディングにも積極的に取り組んでいる企業であることが入社の決め手でした。

土肥彰人
2021年4月中途入社。前職は積水化学工業株式会社での技術営業職。営業職と研究開発職とが連携することの重要性と、商品宣伝のあり方について考え始めたことをきっかけにTBMを知る。現在は開発と営業のリエゾンとしてテーマを推進。肩書は、ねりものマイスター。

近藤:土肥さんの言うように、職種間の隔たりが大きくなってしまうのは、大手企業には起こりやすいことかもしれません。もちろん一概に悪い側面だけでなく、効率化の観点からいえば合理的なのかもしれない。しかしそういった、守りの姿勢や効率化を追求すると、ふと「何のために働いているのだろう」と立ち止まってしまうこともある。そんなとき、もっと社会のために、もっと攻めの姿勢で、と考える人が、TBMには集まって来ています。

土肥:そうですね。ベンチャー企業ならではというのか、スピード感が前職とはまったく異なると感じています。大手企業だと、どうしても多くの人の承認を得るために、手順も時間もかけなければならない。そうではなく、すぐに行動するアグレッシブな姿勢でいられるのは、TBMで働いてみて感じる良い点です。

坂上:逆に言えば、求められるスピード感に応えるため、自分が鍛えられている感覚もありますね。スピードと質の両方を高めていかなければならないし、正直なところ、自分のスキルがまだ足りていないと感じるところもあるくらい。

玉嶋:求められていることの水準は、いつも高いですよね。様々な環境でプロフェッショナルとしてやってきたメンバーが集まっているから。

玉嶋健二
2021年2月中途入社。前職はD I C株式会社における営業を経て、TBMへ。前職で培った新規開拓営業、新製品開発の経験を活かし、現在は営業職として新規用途開発営業を担当している。

近藤:これまでのTBMは、一匹狼タイプのプロフェッショナル集団でした。しかし、プロとして質の高い仕事をしてもらうことと同時に、組織としての協力や相互作用によって、より大きな価値を生み出していくことにも挑戦しているところなので、いまはまさに過渡期と言えるかもしれません。企業として、組織として、という視点も、これからはより大切にしていきたいところです。

営業も開発も両輪で、自分ゴトの姿勢を

――みなさんが働いてみて感じる、TBMの特徴について教えてください。

近藤:企業理念は、かなり浸透しているのではないでしょうか。

坂上:そうですね。とくにTBM Compassは、日々の仕事の中で、自分たちが生み出すべき価値について考える土台となっています。

社員一人ひとりの判断の拠り所になるように、企業理念体系を「 TBM Compass 」と名付けた。

玉嶋:TBM Compassで、はたらく一人ひとりに大事にして欲しいこととしてまとめられた5つのValuesも、大切だなと感じます。仕事をしているとどうしても、板挟みになる瞬間がある。営業としての売上目標、お客様のニーズ、企業として目指す未来。すべてを考えると、何を優先しどんな行動をとるべきか迷ってしまうことがあるのです。そんなときValuesに立ち返って、自分の行動を考えてみるといった具合です。

近藤:2021年は、年間の目標として事業における8つの約束、組織における8つの約束を定めています。「目標」ではなく、8つの「約束」としていることも、実はポイントなのだと思います。できたらいいよね、と曖昧に掲げているものではありません。社会に、そして自分に、守るべきものとして約束する。だからより強い意識を持って、皆が取り組めているのではないでしょうか。

近藤一則
2020年2月中途入社。前職ではスリーエム ジャパン株式会社(旧住友スリーエム)にて技術職、営業職、マーケティング職、と幅広い業務を経験したのち、創世記のビジネスを行う環境を求めてTBMへ転職。現在は営業本部の副本部長を務める。

土肥:私はValuesに記載されている中の、「自分ゴトを拡げよう」が特徴的であり、かなり浸透していると感じます。自分の仕事はこれだけ、と線を引いてしまうのではなく、みんながすべての仕事を「自分ゴト」として考えている。だからこそ、研究・開発職と営業職の連携も上手くいっているのではないでしょうか。負担も重要性も偏ることなく、両輪で回していこうとする空気があります。

玉嶋:両輪で回そう、職種の壁を超えてリレーションを強化しよう、といった意識はたしかに強くありますよね。それぞれに役割の違いこそあれ、目指す方向は一緒です。お客様に貢献したい。循環型社会を実現したい。そのために何ができるだろうかと、ポジションに縛られることなく、様々な視点で考えることが大切ですから。

坂上:とくに研究開発職と営業職の間でのリレーションは、積極的に強化しようと動いています。私は営業職ですが、開発のメンバーと毎日コミュニケーションをとりますし、週に1度の定例ミーティングも欠かしません。月に1度は、TBMの全社員で実施する「Same Boat Meeting」と呼ばれる会議体が実施されています。TBMは情報の透明性をとても大事にしていて、今年で言えば、2021年に掲げた事業と組織の各8つの約束に対して、現状はどうなっているのか、良い部分も悪い部分も含めて共有しています。

近藤:まさにメンバーが、会社のことを”自分ゴト化”しやすくなるカルチャーですよね。自分ごとと捉える姿勢は、私たちのような新たな素材を扱うベンチャー企業ならでは、とも言えるでしょうね。まったく新しいものをつくるときには、全員が意見を持って自ら動かざるを得ないものです。営業職でもどんなモノづくりをするべきか知恵を働かせるし、研究開発職でもお客様へより商品の魅力が伝わる方法を考える。皆が自然と、仕事、そして会社全体を自分ごととして考えるようにできているのだと思います。

LIMEXの原料である石灰石は埋蔵量も多く、日本でも100%自給自足できる資源であり、かつ高効率でリサイクルも可能。(写真提供:株式会社TBM)

身近なところから、循環型社会に近づいている

――これからTBMとして、あるいは個人として、どんな未来を描きたいですか?

土肥:私は、LIMEXが「世の中で当たり前に使われる」素材になっていくことを望んでいます。LIMEXは多くの期待ができる素材である一方、まだまだこれからの素材でもあります。もっと知名度を上げて、プラスチックや紙に替わる第三極の新しい素材として求められるようになって、消費者の価値観や消費行動を変えていけるぐらい。それが、世の中で当たり前に使われている状態。

TBMはサステナビリティを経営のコアバリューとして設定しているので、さらに新しい素材の開発や事業にもチャレンジしていく風土があります。実際に、昨年には、資源循環を促進していく素材として、再生材料を50%以上含んだ「CirculeX」という新しい素材を開発しました。D2Cのモデルで一般の消費者にサステナビリティをLIMEX製品や、さらにはグループ会社のBioWorksのPlaxの素材を用いたプロダクトを商品開発して、EC事業として世の中に送り出していくZAIMAという新規事業も始まっています。私はTBMでやりたいことがたくさんあるので、それらを実現するためにも、まずはLIMEXの成長に寄与していきたいですね。

近藤:開発職の土肥さんとしては、つくりたいものや、やりたいことが数多くありますよね。営業職の玉嶋さん、坂上さんはいかがですか?

玉嶋:社会に貢献することは、顧客であるお客様に貢献することでもあると思うので、まずは目の前のお客様のために何ができるかと考えていきたいですね。Valuesでも掲げられていることですが、世の中の常識を知った上で、私たちは非常識な挑戦をし続けて、本当にお客様のためになることを考え抜いて、それを徹底追求する姿勢を忘れないようにしたいです。

坂上:LIMEXは様々に用途のある商品ですが、「素材」であるがゆえ、商品をそのまま売って終わりにはなりません。お客様の事業へどのようにLIMEXが貢献できるのか。どんな価値を生み出せるのか。お客様のことを真剣に考え、お客様の中に価値を見いだせる営業でありたいです。

近藤:商品そのものの魅力だけを考えるのではなく、その商品がお客様の企業でどんな価値を生み出すか。そういった視点を重要視しているのは、我々TBMの特徴的な点かもしれないですね。だからTBMのメンバーは、徹底してお客様のことを調べ、とことん考えます。いかに売るかを考えるのではなく、いかに価値を生むか、お客様を知りながら考えるのです。

2020年には社員数は200名を超えた。事業への共感するメンバーが集まり、急拡大を続けている。

坂上:お客様の事業への貢献と、LIMEXの事業としての成長、両方を考えることで、循環型社会の実現について、より身近なものとして理解できるようになったと私は感じています。

近藤:というと、どんなことですか?

坂上:循環型社会には、これまではどこか漠然としたイメージがあったと思います。どんな状態が循環型社会なのか明確に思い描きづらかったり、自分とは少し遠いものと感じていたりする人もいるはずです。でもいまは、お客様の事業を通じて、自分たちが循環型社会の実現に携わっているのだと、常に感じることができるんです。

たとえば、飲食チェーン店のメニュー表がLIMEX製のものになっていたとき。街で、LIMEXからつくられた家電量販店の袋を、持って歩く人を見かけたとき。これまで紙やプラスチックだったものが、少しずつではあるけれどLIMEXになっていて、そういった瞬間には、自分たちの前進を感じることができる気がしますね。

ヨドバシカメラのレジ袋はLIMEXを使用している。自分たちの素材が使われている実感は、これまで大手メーカーに勤務していたときには得られなかった喜びだと口をそろえる。

土肥:多くの人が使ったり目にしたりするものがLIMEXに置き換わると、少しずつ世の中を変えることができている実感が得られますよね。私は最近、食品容器や食品パッケージに関心があります。食品は全ての人にとって必要なものだから、ここに使われる素材をLIMEXにできたら……と期待しています。

坂上:最終的には、全部ですね。世の中でつくれられているものが、全てLIMEXをつかったものになる。少々極端ですが、それが私の夢です!

玉嶋:壮大な夢ですね! たしかに、壮大な夢と日々の努力がつながっているのだと、いまの仕事は実感させてくれます。プライベートでの行動も変わりますよね。もっときちんとごみの分別をしなきゃいけないなぁ、と気を引き締めたり(笑)。

少し先の世の中を、仲間と共に考える

――これからTBMへ入社する人へ向けて。どんな人に仲間となってほしいですか?

玉嶋:自分はこれを成し遂げたい!と強い想い持つ人は大歓迎ですね。実際にそういう方が活躍していると感じます。

近藤:「すべての素材をLIMEXに!」と言っていた坂上さんのようにね。

玉嶋:そのとおりですね。自分からやりたいことを発信してくれる人がいると嬉しいです。

土肥:逆に、TBMは誰かのやりたいことを歓迎し、真剣に聞く風土がありますよね。雑談の中でも、ちょっとしたアイデアを口にすると面白そうだねと、人が集まってくる。

坂上:そういった姿勢や想いの部分は、大切にしていきたい点ですね。たしかに技術力や体力も必要だけれど、気持ちがないとどこかでくじけてしまうから。

近藤:まさしく、そうですね。TBMは現在、LIMEXという独自の素材を大きな武器としています。しかし、技術は絶対的なものではない。これがあれば大丈夫、といったものではないんです。だからこそ、想いを伝えることで世の中を動かしたり、世の中が考えていることのその先を一緒に考えたりしてくれる仲間が、私たちには必要なのだと思います。

LIMEXは日中欧米を含む40か国で特許登録済だが、彼らはその技術を売ることを目的としていない。あくまで「100年後でも持続可能な循環型イノベーション」を起こすことが重要なのだ。

※本取材では撮影時のみマスクを外しています

  • TEXT BY 山縣杏
  • PHOTOS BY 黒羽政士
  • EDIT BY 瀬尾陽(Eight Career Design)

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