国家公務員からグロービスのコンサルタントへ。異業種からのキャリアチェンジを選んだ理由

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職種や業種という枠を取り払い「成し遂げたいことができるかどうか」で仕事を選ぶと、働くことがもっと楽しくなる。グロービス法人部門はそれを体現している組織だ。「官」から「民」へ、異色のキャリアチェンジを果たした新人コンサルタントに、グロービスで働くことの意義を聞いた。


グロービス法人部門は、人材育成・組織変革のプロフェッショナル集団だ。所属するコンサルタントは、クライアント企業の外部パートナーとして、経営課題を分析し、人・組織の側面から企業の成長をサポートする育成プログラムの設計、実施を行なっている。しかし、コンサルティングと言っても、答えや戦略そのものを授けるわけではない。外部パートナーとして長期にわたって伴走することで、クライアント企業の人や組織が、自ら戦略を作り、実行できるよう手助けをしている。

「グロービスは、人の心を大事にする会社だと思った」。そう語るのは、2019年に厚生労働省から転職したばかりの三谷大地だ。三谷もまた、先輩と一緒に、クライアント企業の人の成長を支え、組織を変革していくコンサルタントとして、日々奮闘している。

三谷のような「官」から「民」へのキャリアチェンジはそう多くない。ましてやグロービスでの仕事は業種も職種もすべてが未経験の領域。それでも臆せず未知の世界へ飛び込んだ三谷の真意を探ると、グロービスで働くことの意義が見えてくる。

「社会のために何ができるか」を考え続けた学生時代

──「官」から「民」へのキャリアチェンジは珍しいですケースですよね?きっかけは何だったのでしょうか?

大きく三つあります。一つは「現場にいたい」という気持ちが強かったことです。厚生労働省の仕事は人が生きていく上では欠かせないものであり、意義深くて面白かったのですが、「自分が何のために働いているのか」をイメージしにくかった。例えば、介護保険の財政運営を担当していても、その介護サービスを享受している方々の声を感じることは少ない。一方で、現場に出れば、課題を抱える人に直接寄り添いながら、課題解決に取り組むことができます。その営みに、霞が関で働く以上の働きがいを感じたのです。

二つ目は、自分が解決したい社会課題が明確になったこと。少子化により、ただでさえ労働人口が減少していく一方で、医療・福祉に従事しなければならない人はいまよりも必要になります。前職で見た資料にも「2040年には労働人口のうち5人に1人が医療・福祉の仕事をしないと、高齢化による医療介護サービスの需要に対応できない」とありました。つまり、これからは5人分のパフォーマンスを、4人で賄わなければならない。こうした状況の中で、経済を維持し、向上させるためには、働く一人ひとりの能力開発や生産性の向上が必要であり、これこそが自分が解決したい課題だと考えるようになりました。

前職での仕事を通して「どんな環境で何をやりたいのか」「いま何をやるべきなのか」がだんだんと明確になっていった。

三つ目は、自分自身の能力開発ができていないと思ったこと。自分は社会人として十分な能力を有するのか? という問いに対してはっきりと答えられる自信がなかったし、前職の状況では明確なあるべき姿を描いて成長していくことが難しかった。だから、何かにトライして成長していきたい、という気持ちがありました。

──そもそも、厚生労働省に入省しようと思ったのはなぜ?

学生時代に3年間、東日本大震災のボランティア活動をしていました。岩手県・大船渡市の住宅地でがれき撤去や泥かきをしていたときに、ある家主の方の言葉がとても印象的だったんです。現地の人も私たちボランティアも、過酷な状況で疲弊していたときに「こういうときだから、笑っていきませんか」と言ってくれて。絶望の中にいるのに、他人を思いやれることに衝撃を受けました。

その後、大学のある神戸に帰ってきて「神戸はどうして復興できたのか?」と疑問が浮かびました。気になって調べてみると、住民の方々や、いまでいうNPO団体、役所の人たちの貢献があったことがわかりました。そこで私は改めて、人は自分の身を削ってでも社会のために努力ができるんだと気づかされたんです。

人は自分の事でないと動けないものだと思っていたが、さまざまな体験や勉強から、人は「自分の身を削ってでも誰かのために努力できる」という確信に変わった。

当時、私は大学3年生。就職を考える中で「自分は社会に対して何ができるのか」を問い続けていました。そこで出てきた答えが「直接的に社会問題を解決する力は今の自分にはない、でも解決しようとしている人をサポートすることはできる」ということでした。大学では労働法を学んでいたので、それを活かせば、働く人を支えることができるかもしれない。そして働く人を支えることは、社会を支えることにつながるのではないかと。

そうした想いから、新卒で厚生労働省に入り、5年間、働き方改革の法改正や医薬品業界の産業振興、介護保険の財政調整などの仕事に従事しました。しかし、先ほど申し上げたように「自分が何のために働いているのか」が見えなくなっていたので、2019年の5月に転職をしようと決めました。

──で、グロービス と出会った。

はい。実を言うと、もともとグロービスの法人部門ことは知らなくて。転職の際にエージェントから教えてもらったのがきっかけでした。エージェントには「働く人の能力開発や生産性向上という社会課題に取り組んでいること」「自分自身が成長できる環境であること」という条件を伝えていて、それに全て当てはまる会社ということでグロービスを紹介してもらいました。

正直、最初は、「大学院」の印象の方が強く、入社は考えていませんでした。でも採用面接を受けて、気持ちが動いた。中途採用の面接って「君はこの会社で何ができる?」と聞かれますよね。でもグロービスでは「君は何をしたい?」と聞かれたんです。さらに、私の説明が明確でないと「君が言いたいことはこういうことかな?」「他にこういう経験はなかった?」と、対話のなかで私の考えを深めてくれて。面接官と接し、この会社は人を大事にしている、人の心を大事にしていると感じたことが、入社を決めるきっかけになりました。

グロービスなら、現場で社会課題と向き合える

──グロービスの経営理念の一つである「社会的善のビジネスを通して社会貢献を行う」も、三谷さんの考え方とマッチしていますね。

はい。組織や人の成長をお手伝いし「一人ひとりの能力を高める」ことで、社会課題の解決に貢献できると思っています。それにグロービスでは、G1サミットという、政治・経済・ビジネス・科学技術・文化など分野を超えて第一線で活躍する方が集い、社会課題に対して自分たちに何ができるのかを議論し、実行するカンファレンスを開催しています。こうした取組を通して、社会課題を解決へと導くこともできますよね。

また、法人部門にも社会課題の解決に向けて正面から取り組むものとして、複数企業から参加者を募り、地域の課題を解決する「地方創生プロジェクト」があります。参加者は地域課題に着目し、実際に「人口流出を防ぐための方策を練る」などソーシャルビジネスを考えて自治体に提案し、プランとして実行していきます。

正直、社会課題を解決したくて入社したものの、実務ではなかなか取り組めないだろうと思っていましたが、このように具体的にプロジェクトが動いているし、自分も直接関わることができる。やりたかったことが本当にできる会社だなと思います。

──実務において、入社前後で想像や期待とのギャップは感じていますか?

良い意味でのギャップですが、想像していた以上に「現場感」が強い。コンサルの仕事って「かっこいい資料をつくって終わり」というイメージがありましたが、グロービスは、実際にクライアント企業の育成プログラムの一つである研修の運営にも関わります。研修現場に行って受講生の悩みを聞いたり、振り返りをするためのサポートをしたり。そうやって自分が設計したプログラムを受講してくれる方々からのリアルな声を聞いて、役に立てていると実感できることに、やりがいを感じますね。

──逆に、悩んでいることは?

私は前職が国家公務員なので、コンサルティング業界の経験もないし、さらに言えば企業で働いた経験もない。完全な未経験者なので、受講生の悩みを聞くことはできても、直接アドバイスができないこともあります。そのもどかしさや苦しみはすごくありますね。

コンサルタント経験はなく、会社のことも知らなかった。しかし自分が働く上で大切にしていることと会社が大切にしていることがぴったり重なったことが、入社の決め手になった。

「学び」と「人の成長」に価値を置く

──グロービスには社内のスタッフにむけてさまざまな学びの制度や機会がありますよね。その制度を使いながら、悩みを解決するためにどんな取り組みをしていますか?

育成プログラム設計のあり方を理解するために、クライアントの研修に同席をして学びを得る、新人向けの育成機会があります。同席後は、ディレクターとディスカッションをします。ディレクターとプログラムの設計意図、クライアント企業の経営課題、人・組織の課題の解決に必要なアプローチについて意見交換をする。この対話が、コンサルティングの在り方について理解を促す機会になります。それに加えて、今年からグロービスの大学院に通うので、MBAを取得する過程においても仕事への理解をより深められそうです。

──大学院の中だけでなくて、グロービスの会社全体が学校のような組織なんですね。

そうですね。「学び」と「人の成長」を大切にするという価値観は、会社全体にあると思います。例えばカフェで先輩に会ったときにも「すみません、ここ聞きたいんですけど」と言えば、快く教えてくれる文化がある。きっとその方自身も、同じように先輩に教えてもらった経験があるから、その恩返しをするようにバトンを後輩につないでいるのだと思います。

私も同期のメンバーとは、「自身が新人向けの教育を受けるなかで、良かったことや改善すべきことを常に意識していよう」と話しています。そうしたフィードバックが、これから会社に入る人たちのためにもなるし、ひいては組織全体に対してもいい影響を与えられるのではないかと。「10もらったら少なくとも11は返していく」という考えで、恩返しをしていきたいと思っています。

例えばその日業務で感じたことを社内のコミュニケーションツールに書くと、必ず誰かが反応してくれる。考え方のアドバイスや具体的なティップス、本の紹介まで丁寧に教えてくれるという。

──最後に、これからグロービスのなかでやりたいことを教えてください。

常に意識しているのは、自分しか持ってない考え方や経験を活かして、新たな価値を提供していきたいということです。厚生労働省という「官」で働いていた経験のなかで得た、物事を国家レベルで俯瞰する視点、政治的な動きから社会や経済を考える思考は、他の人にはないものだと思っています。また医療・介護業界に関わっていたので、その世界における課題も理解しています。

すべてのビジネスは、究極的には「社会をよくする」というところにつながっている。パブリックな組織で働いていたからこそ、社会のこと、一人ひとりが豊かに生きられる世の中をつくるということは、常に意識しています。そうした自分ならではの視点を持ちながら、働いていきたいと思っています。


  • TEXT BY 宮本裕人
  • PHOTO BY 吉田和生
  • EDIT BY 谷 瑞世(BNL)