気づきを与えるのがコンカーの営業の仕事。経費精算に変革をもたらし、新しい働き方の一端を担っていく

「Concur Japan は T&E の改革を通じて日本企業の競争力強化に貢献します。」をミッションに掲げ、経費精算業務自体が要らなくなる世界を構築しようとしている株式会社コンカー。 働き方や企業のあり方が様々に変わりつつあるいま、コンカーは世の中を、企業を、どんなふうに変えていけるのか。また、そこにはコンカーならではのどんな強みがあるのか。5年連続100%予算を達成し、当時最年少で営業部長に就任するなど、コンカーの営業職をリードしてきた川縁啓介の視点から紐解いていく。


外資系企業からの転職でも驚く、徹底した「加点方式」の文化

――最初に、コンカーという会社がどんな事業を行っているか教えてください。そのなかで川縁さんのような営業職がどのようなミッションを担っているのでしょうか。

コンカーは、一般企業向け経費精算のクラウドサービスを提供している会社です。営業はそのシステムを売るのが仕事ですが、商談の中でお客様に「気づき」を与えなければならない点に、この仕事の難しさと面白さを感じています。

経費精算はどの企業でもある業務ですし、多くの人が経験している。だから「経費精算って何?」と言われることはほとんどありません。しかしだからこそ、そこを変える意義や重要性に気づいている企業はまだ少ないのです。「紙と手計算でやるから、べつに新しいシステムは要らないよ」と言われてしまう。経費精算を変えることで煩わしい業務にどのような変化をもたらせるか、そしてどう組織が変わっていくのか。そういった「気づき」を見せることが営業の仕事だと考えています。

「経費精算」という誰もが経験しているだからこそ、新しいサービスを導入することでどのような変化をもたらせるか、その先をイメージさせるような「気づき」を顧客に与えることが重要だと語る。

いきなり経費精算を変えるのはメリットが想像しづらいですが、経費精算への負のイメージは誰もが持っていたりします。面倒くさいとか、煩わしい、といった感情ですね。負担軽減を入口に業務が変わることを説明すると、コンカーを利用するイメージを持っていただきやすいのかなと思っています。

――川縁さんご自身は、どのような経緯でコンカーでの営業職に就かれたのでしょうか?

新卒では外資IT系の会社に入社しました。そこは30万人以上の従業員がいる会社で、扱うのはほぼハードウェア製品。転職を決意したのは、2014年でしたが、これからはアプリケーションやクラウドサービスの時代がくるだろうと考えていました。

当時、日本のコンカーはまだ30人くらいの会社。まったく組織然とはしていませんでした。商談で使用する提案資料もないし、パソコンのセットアップマニュアルもないしで。でもその何もなさが、私にとってはすごくよくて。30万人の会社ではできないことをやって、成長しようと思っていたんですね。「そうそう、こういうのを求めていたんだよ!」という気持ちでした(笑)。

入社して最初に驚きだったのは、「加点方式」の文化です。チャレンジしてみるのは基本的に大歓迎。入社当時、私は営業職の中で最年少だったのですが、「絶対遠慮するなよ!」「思ったことあったらどんどん発言してね!」とすごく言ってもらったんです。言ってみる、やってみることが評価されるのだなと感じたし、実際社歴や年齢は関係なく意見を尊重してもらってきたと思います。

アンテナを張っていれば、自然と次のフィールドが見えてくる

ーーコンカーは、「働きがいのある会社(Great Place to Work)」(従業員100〜999人部門)で3年連続1位を受賞していますよね?その結果についてはどのように感じていますか?

とくに「働きがいのある会社になるためにこうしなければならない」と努力しているわけではありません。ですが結果として、自分たちのやってきたことがそのようなカタチとして評価をいただけるのは嬉しいことだと思います。IT業界は広いですが、様々見渡してみて、こんなにいい会社はないと自分でも思っているので。

働きがいがあるというのは、コンカーの企業カルチャーである「高め合う文化」が社員にきちんと浸透していることとも関連があると思います。「高め合う」「フィードバック」などは、社内でもよく使われる言葉です。トップダウンに言われたままをやるのではなくて、お互いに高め合う、お互いにフィードバックする、ということが日頃から活発に行われていると思います。

そういったカルチャーがあるため、現場から自発的に意見が上がってきたり、何か新しい活動が生まれてきたりと、いい効果を生んでいるのではないでしょうか。先ほど申し上げたように、基本的に加点方式なので、言ってみる、やってみる、がしやすいこともプラスに作用していると思います。

――「高め合い」や「フィードバック」は、社内でどのように浸透していったのでしょうか?

「高め合い」や「フィードバック」といった言葉も、社員の中から自然発生的に生まれてきた言葉なんですよ。誰かにやれと言われたものじゃない。行動指針になるようなキーワードやフレーズは一応定められてはいますが、社員みんなで話し合って合宿をして言葉を選んでいます。つくる過程に社員が参加すると、やはり浸透もしやすいのでしょうね。

普段から使ってきた言葉なので違和感なくそれに従うことができるし、それに従っていればいい仕事ができる。そういう文化のなかで、働きがいのある会社になっていけたのかもしれません。

コンカーのミッション、ビジョン、バリューをまとめたカードを川縁は常に携帯している。トップからのメッセージ発信だけでなく、ボトムアップで自社の行動指針をつくり上げていくカルチャーがある。

さらに付け加えるなら、やってみたらできる、いまあるものは変えられる、という変化が目に見えて感じられる環境も、私たちのいいところなのかもしれません。わかりやすいところでいくと、管理職の内部昇格率が100%である点。それから小さなことですが、部署横断的な交流のためのチャットルームを自発的につくる人がいたりする。きちんとやってきた人が昇進すること、自分発信で呼びかけたら周りが賛同してくれること。チャレンジは、やればいい方向に作用するのだと、みんなが知っているんですよね。だからこそ、言ってみる、やってみる人が絶えないのではないでしょうか。

私自身、このたびコンカーの料金体系を変えるという試みがあり、そのプロジェクトに参加させてもらいました。料金体系を変えるのは今までで初めてのことなんです。グローバルとの交渉などを担当しました。料金体系のように決まりきっているように思えることでも、変えることができるんですよね。やってみたら、できるんです。だから、枠に囚われちゃいけない。この経験以後、ますます「変える」ことを積極的にとらえられるようになった気もしています。

全世界の6,600万人以上が利用するコンカー。日本の契約高は、米国に次ぐ世界第2位の規模の市場で、グループ全体の成長の牽引役的存在だ。

――川縁さんご自身は、コンカーのどのようなところに「働きがい」を感じていますか?

そうですね。「働きがい」という言葉は抽象的で、人によって捉え方が異なりますよね。私もよく人から、「コンカーって働きがいがありますか?」と聞かれるんですけど。私とって働きがいを感じられる環境であっても、その人にとってどうかはわからないですから。

私は「ちょっと背伸びしないと届かない目標」を、常に会社が用意してくれる点に、コンカーでの働きがいを感じています。いままでの自分ではいられない、レベルアップしないといけない……と前向きな気持ちでいられるのがいいです。

何もお膳立てされていないベンチャーだったコンカーへ転職したことは、自分自身の最初の背伸びでした。そこから売上をきちんと出せる営業を目指して、誰にでもできる営業メソッドの確立を目指して、マネジメントで多くの人を育てて……と、いつも新しいステージを与えてもらえたのだと思います。もちろん、ただ与えられるのを待っていればいいわけではなく、自分でアンテナを張っていないと、その新たな目標には気づけません。緊張感を持って、チャレンジし続けられていることに、私は「働きがい」を感じているのだろうと思います。

世の中も企業も、コンカーのイメージさえも、変えていこう

――従業員数30人だった時代からコンカーを知る川縁さんですが、現在のコンカーはどんな会社に映りますか?

ひと言でいうなら、これからは第二創業期なのだと思います。いま従業員数が300人ほどですが、これから1000人、2000人と増やしていくためのチャレンジができる時期ですね。コンカーは企業向けの経費精算システムですが、日本の企業は中堅・中小企業が約97%。ここはまだまだホワイトスペースで、もっと成長していける余地があると考えています。

いまのコンカーは、「GINZA SIXにオフィスがあって、イケイケ感があって……」と「MAXの瞬間」のように見られがちなんです(笑)。でも全然そんなことはないはず。これからもっと姿カタチを変えながら大きくなっていける、面白いものが見られると思っています。

お客様やパートナー企業がよりハッピーになるためにはもっと仲間が必要。大きなチャレンジをすることに喜びを感じられる人とアクセルを踏んで行きたい。

具体的にどんなふうに成長していくかといえば、企業が変わっていくことの、あるいは新しい働き方の、一端を担いたいと思っています。紙の経費精算でもいいと思っていたかもしれないけど、小さな変化から始めてみたら、それが会社全体に変革をもたらす起点になることもあるから。最初の一歩になれるんです。

だから私たち営業も、よくお客様に「これは改革だと思ってやっているので」と伝えます。それは、私たちが本気であることを伝えるだけの意味もあるし、お客様に本気になってもらう意図もある。共感していただけないときは、営業の力不足ですね。共感していただいて、変えていこうとする視点の変化や気づきをつくる必要があるんです。当たり前は変えられると、何度でも訴えていきたいです。「コンカーってこうだよね」と、よく言われるような見られ方も変えていきたいですね。

――「コンカーってこうだよね」というと……?

たんなる経費精算システムを売っている会社だと、見られていることですね。たしかに経費精算システムを売っている会社ではあるのですが、その先にどんな未来があるか、どのような意義があるのかまで、もっと伝えていけたらと思います。

いまは、世の中全体が大きく変わりつつあるときです。通勤がなくなって、満員電車に乗らなくなって、そうしたらおそらく住む場所だって変わってくる。働き方や生き方が大きく変わるのだと思います。そういった新しい世界に合わせて、企業が変わっていくためにある、コンカーのサービスなのです。

「働き方」が大きく変わるなかで、経費精算から企業の変革を起こしていく。それはコンカーの使命とも言うべきものだ。

キャッシュレスやペーパーレスだって浸透してきたし、それで世の中は変わってきました。そしてこれらはもっと推進されていくはずです。決済手段が変わって、お金を持たなくなる生活は、私たちの事業とも相性がいいですから、もっとやりたいことの実現に近づいていける気がします。

実際に今年は、「コロナ禍で出社停止になったけど、コンカーを入れていたことでリモートワーク推進がスムーズだったよ」と言っていただけることが何度もありました。私たちのサービスそのものが変化をもたらすものであるし、世の中に合わせて変化しようとするときに、私たちのサービスが力になることもあるんです。変えることが比較的簡単だし、目に見えて効果がわかりやすいですしね。

経費精算で変革を起こせたんだから、他のことも変えていけますよと、企業の背中を押していけたらいいですよね。逆にいえば、経費精算も変えられないのに他は変えられない、それくらいのことも言ってしまえるのかもしれません。

――コンカーは今後どんなふうに変わっていく未来像をイメージしますか?

そうですね。自分たちのチームでいえば、やりたいことの達成に向けては2合目、3合目あたり。まだまだという感覚です。だから、もっとアクセル踏んで、新しいものをつくっていきたいですね。

そのために仲間を増やさなくてはなりません。社員として一緒にやってくれる人はもちろん、パートナーやお客様である企業も。一緒に新しいものをつくっていける喜びを感じられる人とともに、頑張っていきたいです。逆に、「いまがコンカーの頂点!GINZA SIXでイケイケ!」みたいなイメージに期待している人は、合わないかもしれませんね(笑)。

――ピークに乗っかるのではなく自ら変えていく人を仲間に、ということですね。川縁さんご自身はどんな変化やチャレンジをしていきたいと考えていますか?

僕自身としては、世の中も会社も変化していくなかで、営業としてどう変化していくべきか、考えていかなければならない時期だなと感じています。たとえば、この半年で営業スタイルがまるで変わりました。

これまでは対面でお客様のところへ出向き、会話の内容だけでなく、その場の空気や空間をどうデザインするかが商談のなかで重視していたポイントでした。それがオンラインでの商談になると、まったく変わるんですよね。画面越しでの意思疎通ではどんなことが大切になるのか。いろいろチャレンジしている途中です。

外部環境の変化やテクノロジーの進化によって「いまの当たり前が変えられる」と確信する川縁。自身の営業スタイルも変化させつつ、周りにいい影響を与えたいというビジネスパーソンとしての軸は変わらない。

小さいことだけど、オンラインだと移動時間がないので、予定を入れすぎてしまうのが、目下の課題でもありますね。昨日なんて、商談と社内のミーティングを合わせて1日で10件以上いれてしまった、とかね(笑)。

一方で、営業として、ビジネスパーソンとして、あるいは自分自身として、変わらず大切にしたいことも、もちろんたくさんあります。成長し続けることや、周りにいい影響を与え続けること。ユーモアを忘れず楽しむことなどは、ずっと変わらないはずです。外資なので終身雇用はないのですが、勤め続けて最後に振り返ったとき、いいビジネスパーソン人生だったなと思えるよう、よりよい営業のあり方を追求したいです。

株式会社コンカー
導入プロジェクトマネージャー

導入プロジェクトマネージャー

  • TEXT BY 山縣杏(四〇四号室)
  • PHOTOS BY 黒羽政士
  • EDIT BY 瀬尾陽(BNL)